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ワインメルマガ ソムリエの追言「味わいが変わる?ワイングラスについて」


ソムリエの追言
「味わいが変わる?ワイングラスについて」

多種多様なグラス
グラス一覧
ワイングラスで有名なオーストリアのグラスメーカー。
そのワイングラスの種類はなんと150種類!

150種類を見ていくことはしませんが、
一般に使われているワイングラスの種類はどんなものがあるのでしょう。

1.赤
2.白 (万能型)
3.シャンパーニュ フルート型
4.ブルゴーニュ型
5.ボルドー型
6.シャンパーニュ クープ ソーサー型とも
7.テイスティング グラス

このあたりが一般的でしょうか。
もちろん、他にもポートワイン、シェリー用といった アルコールが強いタイプ用の小さめのグラス、 フランス、ドイツの各ワイン産地で、そのワイン用に使われてきた地方独特のグラスなど 様々なものがあります。

そして、なにより 現在は、多様なワインの個性に合わせた形状、
特にブドウの品種にあわせたグラスなどがあります。

歴史
グラス製作イメージ 紀元前5000年には既にガラスが造られていたようです。

その後、現在のガラス製法にも通じる 吹き技法が紀元前50年頃のローマ帝国時代に生み出されました。

この頃には、飲料用として、ガラス製品が使われていたことが確認されています。 3世紀からは、ワイングラスは、ワインを飲むことのできるもの(一部の庶民にも)の間で日常的に使われていきます。

その後、ワインとともにグラスも普及していきます。
教会のステンド・グラスの発展も、ワイングラスに影響してきます。

その一方で、ヴェネチアのガラス職人によって15世紀後半から純度の高い透明なガラスが作られるようになっていきます。 技巧を凝らした、装飾をほどこしたワイングラスが出来たのもこの頃。

やがてボヘミア地方でほぼ透明なガラスが開発されます。

その後、17世紀にイングランドのガラス工場の一つで、偶然からクリスタルが誕生します。
ガラスの中でもクリスタル ガラスは、ガラスに含有される鉛(なまり)の含有量(がんゆうりょう)が多いほど輝きが増し、最も透明度の高いガラスです。

また、この17世紀には容量別を目的としてタイプ別のグラスが作られていて、より現代に近くなってきます。 なお、19世紀にはグラスのカタログには8種類のグラスが紹介されていたようです。

19世紀といえば、18世紀の間に品質を高めたクリスタル・ガラスが発展、 「クリスタル製造の世紀」とも呼ばれています。 その発展と美食家達の功績でしょうか、どのグラスで、どのワインを飲むかといった 「正しいワイングラス」についての議論が出てきているようです。

味わいが変わる?
有名ワイングラスメーカーが150種類もグラスを作っている理由とは 「グラスの形状によって、飲むワインの味わいの感じ方が違ってくる」というもの。

実際に試したことがありますがホントに違います!
代表的な例が ボルドー型とブルゴーニュ型。

ボルドー型は ほぼ垂直か卵型の縦長(たてなが)で ブルゴーニュ型は球形です。 どちらも大きいグラスです。

ところで、舌の両側に酸味を感じやすい部分があります。 この部分を意識して、グラスの形状が作られているらしいのです。 ボルドーの赤ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン主体でその渋味・酸味を強く感じます。

そのため、ワインを口の中でなるだけ広げずに、
奥に届けるほうがボルドー赤ワイン全体の調和が楽しめるのです。

ブルゴーニュ型のようなグラスの口の広がりが大きいグラスですと、ワインを飲むとき、すぐに舌の両側にワインが流れ込み、酸味・渋味をストレートに感じ、強調されすぎます。美味しく感じないのです。

一方、 ブルゴーニュワインは果実味が素直で、酸味と共に味わった方が活き活きとします。 そのため、グラスの口が広がっているタイプが適しているのです。
ボルドー型のタイプで飲むと、甘味と酸それぞれを強く感じるように思います。

※ 以前、舌の部位によって味覚が異なる 味覚分布地図の存在が通説となっており、それを元にしたグラスメーカーの見解と思われます。(味覚分布地図は現在は間違いであると否定されています)ただ味覚の感じる強さには違いがあるようで、一般的に先端の方が感じやすいようです。グラスによって味わいが変わるのはこの辺りも作用しているのかも知れません。


【道上の独り言】
「ストレートがボルドー(5番)、丸くなっているのがブルゴーニュ(4番) と言われているのは ソムリエの世界であって 特に日本での事です。 ボルドーには昔から丸いのも4番も5番も細いのも有りまして 誰がボルドー、ブルゴーニュと決めたのでしょう!



それと、もう一つは香りです。

どちらも、香りを立たせるため、表面積が大きくなるよう容量が大きいです。 この容量の多さが、その部分に香りを多く溜め込みます。 そして、徐々に香りが立ち昇ってくるのですが・・・ ボルドーワインは複数品種のため、香りもやや複雑で、少しずつ様々な香りが上がってくる。
香りをストレートに感じるために、壁面の、よりまっすぐな縦長のボルドー型がよい。  

一方、ブルゴーニュワインの広がりのある華やかな単一品種の深い香りはグラスにぶつかって、グラスの内部にたまり、その香りをいちどきに浴びるようにして楽しめる、というわけです。 

決まりごとはない!
ワイン注ぎイメージ しかし、ボルドーでも熟成したタイプやメルロー主体であれば、タンニンも酸味も柔らかく落ち着いている ブルゴーニュ型のほうがいい場合があるわけです。

ブルゴーニュでも、グラン・クリュなどで、造り手によっては渋味の残し方もそれぞれなので、ボルドー型が合うものもあるかもしれません。

とにかくいえることは、決まりはないんです。

19世紀から、続く「正しいワイングラス」の議論は、人それぞれが答えを出すべきなんです。 「正しい」というより「自分の好みの味わいになる」でしょうか。 色々試してみることが近道です。

まずは、種類の異なるグラスで同じワインを飲んでみてください!
用意するとしても、150種類のグラスは必要ありませんよ!


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