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名人のこだわり「野菜について」

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名人のこだわり
「野菜について」

野菜について考える時、
ワインの事を考え合せてみると
分かりやすいかと思います。

ワインであれば
その葡萄の産地・畑、時には畝までも気にされ
、更にその年の気温・降水量などの天候、
収穫の時期・さらには何時頃に収穫するか、
前後の降水など細心の注意を持って扱われます。

もちろん野菜でも同じことが言えるのです。
産地はもちろん、畑によって、土壌によって、気候によって
大変に影響を受けます。

ある農家の方にお話を伺った時に
「今やっている事と同じ事を、他の畑でやっても結果が同じにならない」と伺った事がありますが、
そのくらい畑により本当にそれぞれ条件が違い、
また野菜の味も違ってくるのです。

露地野菜の栽培では「一般論」というのが
実はあまり通らないのです。

スコットランドの赤雷鳥と松茸
金沢の白茄子


「朝採り野菜」という物がありますね。
これは実はただ「新鮮ですよ」という部分、「鮮度」の問題なんです。

ですので、鮮度が大事な、
タケノコなどの野菜に関しては良いのですが
その鮮度と、「味」というのはまた別の話なのです。

以前、毎週野菜を採りに行っていた秩父の井上さんの畑での話です。
その際には土壌の本を読む事から始めました。

朝採りと夜採るのでは味が全く違ってきます。
収穫する時間も大事なのです。
トマトなどは特にその差が分かりやすいと思います。

野菜は結局は植物ですので光合成していますよね。
光が当たっていないとやはり栄養が作られない。
たっぷり日に当たって光合成をした、
お昼過ぎ、2時くらいに採ったものが良かったです。

本当に畝ごとに味が違ってきます。
日がずっと当たるようなところがやっぱり美味しいです。

果物はさらに昼が良いと思います。
ただ、果物は甘いだけでも美味しくない。
酸味とのバランスはとても大事ですよね。

葡萄などでも食べて美味しい物はワインにするとおいしくないですし
ワインに美味しい葡萄は食べると美味しく無いと言いますが
その部分はお菓子作りに向く果物との同じかもしれません。

熱やクリームなどの要素が加わると
向いている物がまた変わるのです。

次週は「料理の「情景」について」をお送りします。



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