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ノムリエの追言 「続々・保存について」



ノムリエの追言 「続々・保存について」



こんにちは。MICHIGAMIワインの道上です。

先週、保存について簡単なご説明をしました。
そんな事知ってるわい!と仰る方も多いと思いますが、
要は酸素に触れる事を極力抑えるということです。

全く無いと熟成しませんが多いと早まりすぎます。

最近日本では業者が商品の回転ばかりを考えるゆえ 寝かせる(保存をする)余裕が有りません。 ボルドーに多いカベルネ・ソービニオンというぶどうの品種は寝かせる必要がある物が多く その為か最近は寝かせる必要のあまり無いブルゴーニュに人気は移動しています。

しかしレストランのシェフ達は料理とのマッチングを考えると 味を引き立て易いカベルネ・ソービニオンを好むようです。 古い良いワインはフランスでは見つけるのが難しく、 ロンドン、ニューヨークの方が探しやすい現状が有ります。

この件はまたゆっくりと話すとして、フランスで古くて美味しいワインを飲もうと思うと レストランで飲むのが一番手っとり早いのです。 ゆっくり保管して飲み頃に出す。 レストランにとっても一種の投資です。

フランスで美味しいと言われている、レストラン二つ星、三つ星などと言うところは ワインも相当良い状態で豊富な品ぞろえをしています。 地下室のある長期投資型の商売が考えられるお国柄と言えます。

一方、日本は回転ばかり考えレストランで熟成させることは皆無です。
しかもこれ見よがしにガラス張りのワインセラーに高級ワインを置くのは 如何なものでしょう?
すでに先週述べた通りで、あまり感心できません。

日本のソムリエは、あまりワインの仕入れに携わっていない方が殆どです。
与えられた環境の中、展示会等へ行って選ぶのがせいぜいです。
その点フランスの有名レストランのソムリエは世界中飛び回って 良いワインを探しています。

彼らの情報は我々輸入業者にとっても 重要な情報です。
美味しいシャンパーニュを見つけても売り先が決まっているので分けてもらえません。
もちろん日本では知られていないものが多いようです。

日本でも京都の美味しい小料理屋では農家の野菜作りを手伝ってまで 美味しい野菜を確保するなどと言う事もありますが、 国は違えども似たような事をやっているのですね。

少々脱線しましたが、ワインが酸素に触れるということは 栓を抜いた時はもちろんですが 急激に温度が上がると ワインが膨張して酸化の要因になります。 ワインが膨張しその後収縮する際に新たな空気が入り酸化の要因となります。

暑い所だと熟成が早まります。それは良い場合も悪い場合もあります。
じっくり長期熟成に越したことは有りませんが・・。
反対に若いワインを無理やり熟成を早めるという方法も有ります。
しかしこれは難しいです。

湿気が無いと乾燥したコルクから空気が入り酸化が進みます。
振動が有るとじっくり熟成出来ません。 おりの沈殿したワインが更に濁ると言う面も有りますが、中の空気と必要以上に混ざり酸化すると言うことがあります。

その昔樽のワインを船に積み外海でどんぶらこ、どんぶらこと樽を揺らし 熟成を早めるという事をやっていた時代もありましたが、これはあくまでも度数の強いワインのみです。
でなければデリケートなワインは味が壊れてしまいます。

明るいと酸化が早まります。(だから濃いグリーンのビンが多い)
窮屈と言うか、よどんだ空気ではなく風通しが良い保管場所が有難い。

ところで長く暖かいところにあったワインは一旦寝かせた状態で冷やすと(締めれば)よみがえる場合が結構あります。 ぜひお試し下さい。
あくまでも古過ぎないワインの場合です。

一度開けたが飲み切れずと言う方も多くいらっしゃいますね。
そういった場合バキュウムで真空にすれば2〜3日は味が変わらない。
確かにそうなのですが香りが飛びやすいことも事実です。

そういう場合は予めハーフ・ボトルを用意して詰め替えることも良いかと思います。
僕が子供の時はビー玉を入れて空間をなくしました。 これも一つの裏技です。

当店のBag in Box※を毎週少しずつ飲んでみました。
開けてから1年半かけて飲み干しましたが最後までほとんど味が変わりませんでした。
コックからワインを出すたびに中のビニールが収縮して最後の1杯まで空気に触れないのです。
赤ワインの場合はここまで長く飲めましたが、ロゼなら3ヶ月、白だと1ヶ月ぐらいでしょうか。
ただ空気が無いので熟成はしません。

先日フェイスブックで 「道上さんのメルマガを読んで、ワインセラーを買うのはやめることにしました」 というコメントをいただきました。 ワインセラーがないとワインが保管できない、だからワインが買えない、 と思っている方が結構いらっしゃる。
ワインセラーとか大そうなことは、あとまわしにしてまずは飲みましょう、気軽に!



【 道上 雄峰 】
幼年時代フランス・ボルドーで育つ。
当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。



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