2013年2月頒布会 クロ・ジャクモ 2001年 2002年 2003年

2013年2月度 頒布会ワイン・レポート 1/3
クロ・ジャクモ

MICHIGAMIワイン頒布会に加入して頂いているお客様へお届けするワインを、テイスティングで紹介していきます。

今回の頒布会はボルドー右岸、 サンテミリオン地区においてグラン・クリュの格付けをもつ 正統派ボルドーワインCLOS JACQUEMEAU(クロ・ジャクモ) 2001年、2002年、2003年、 ヴィンテージ違いの3本をお届け致します!
クロ・ジャクモ

Clos Jacquemeau

クロ・ジャクモ 2001年
クロ・ジャクモ 2002年
クロ・ジャクモ 2003年


サンテミリオンはボルドー市内から東へ50km離れた小さな町です。

ボルドーでメドックと双璧をなすグラン・ヴァンの名産地ですが、 一方で世界遺産にも登録された、中世の街並みを残した観光名所としても知られています。

サンテミリオン

地質はほとんどが石灰岩で、 場所によっては粘土質や砂利質の割合が多いところもあります。 これらの地質がブドウ栽培には非常に適しており、 なんとローマ帝国の時代からブドウが栽培されていました。

その年の天候やビン内での熟成期間の違いが、 味わいにどのような影響を与えるのか? その辺りに注目しながら、ワインを楽しんで頂ければ幸いです。

それでは、テイスティングでワインを紹介していきます!


CLOS JACQUEMEAU 2001年
クロ・ジャクモ 2001年

クロ・ジャクモ 2001年

外観
(3本ともほぼ同じ)

グラスの中心は漆黒を感じさせる濃い赤黒。 やや透明感も出てきていますが、 色合いからは果実味がしっかりした渋味の強い、 どっしりとした味わいであると予想出来ます。

2001年、2002年、2003年ともに外観の違いは ほとんどありません。


香り
メルロー主体であることを強くアピールするような香り。 サンテミリオンは歴史柄、土壌柄、非常に優れたメルローを産出する地域で知られています。

一般的にカベルネ・ソーヴィニヨンは味がしっかりしていて力強く、メルローはなめらかで飲みやすいと思われがちですが、サンテミリオン・グラ・クリュのしっかりとした造り手のワインとなると、メルローのなめらかさ・妖艶さは保ちつつもカベルネに負けない非常に力強いワインが作られます。


味わい
外観の黒味の強さに反して タンニンは細やかに落ち着き、なめらかな印象があります。 渋味よりも酸味が味わいの中心でミディアム・ボディの辛口。

ラズベリーのような酸味をともなった果実の甘やかな味わいは、 いわゆるボルドーらしい、男性的などっしりとした味わいと言うよりも、 円熟した魅力を持つ女性らしさを感じさせるワインです。 (あくまで個人的な主観ですが)

余韻は5秒、 飲み込んだ後に心地良い苦味が口の中に残ります。 この苦味と合わせて、ハーブを使った鶏肉料理、バジルソースパスタ、山菜の天ぷらなどと合わせるのがオススメです。

【2002年】


CLOS JACQUEMEAU 2002年
クロ・ジャクモ 2002年

外観
(3本ともほぼ同じ)

クロ・ジャクモ 2002年
グラスの中心は漆黒を感じさせる濃い赤黒。
エッジ部分には、わずかに熟成を示す茶色がみられます。


香り
他のヴィンテージにも共通する香りですが、 錆びた鉄クギのような香りがより強く、印象的に感じられます。

この香りが出ているワインは熟成して複雑な味わいが醸し出され、 タンニンは落ち着き、それでいてドライ・・・ 美味しいサンテミリオンの特徴を備えているワインからは、 この香りが出ている事が多いので、味にも期待がもてそうです。


味わい
グラスに注いだ第一印象は・・・
鉄のような冷たさを感じるワイン。

熟成年数を考えるとタンニンは少し強めですが、 イガイガする程ではありません。

あと2~3年寝かせればなめらかな質感が出てくるように思います。 控えめな果実味の中でも、味わいの中心はやはり独特の酸味。 高級な梅干に感じるような、旨味あるまろやかな酸味です。

3本の中では今、一番良い状態、飲み頃であるように思います。
完熟した果実味に心地よい落ち着きを感じ、 タンニンと酸のバランスも上手に整えられています。 じっくりと染みるような静かな旨みが、飲み手を飽きさせる事なく 最後の一滴まで楽しませてくれます。

ワインの味わいはやや濃い目なので 鰻の蒲焼、ホルモン焼、ビーフシチュー、カレーなど 味が濃い目の料理と合わせる事も出来ます。



CLOS JACQUEMEAU 2003年
クロ・ジャクモ 2003年

外観
(3本ともほぼ同じ)

クロ・ジャクモ 2003年
グラスの中心は漆黒を感じさせる濃い赤黒。
グラスを並べて見比べると ようやく分かる程度ですが、他の2本と比べると、わずかに黒味が強いようです。


香り
香木のような香りもありますが、香りの中心は鉄クギのような錆びた香りです。
他の2本と比べると、香りはやや弱い。


味わい
ふくよかな口あたり、酸味がこなれています。
酸っぱいと感じるのではなく飲みやすくするための酸味。この酸味が味わい全体をスマートに引き締めている感じ。

1時間ほど置いてみると、ふわりとした甘さも出てきました。 甘さにわざとらしさがなく、ふくらみ具合も良い。 また、果実味の中にミネラル分の鉄分を感じます。 鉄分と聞けば、レバーなどいいですね。

食べやすい豚レバーをフライにしたものがオススメです。



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