ノムリエの追言「ワインの酸化」
こんにちは。MICHIGAMIワインの道上です。
最近日本では業者が商品の回転ばかりを考えるゆえ寝かせる(保存をする)余裕が有りません。
ボルドーに多いカベルネ・ソービニヨンというぶどうの品種は寝かせる必要がある物が多く、(特に質の高い物)その為か最近は寝かせる必要のあまり無いブルゴーニュに人気は移動しています。
しかしレストランのシェフ達は料理とのマッチングを考えると味を引き立て易いカベルネ・ソーヴィニヨンを好むようです。
難しいことはさておき、酸素に触れるということは栓を抜いた後は勿論ですが 急激に温度が上がるとワインが膨張して酸化の要因になります。
ワインが膨張しその後収縮する際に新たな空気が入り酸化しやすくなります。
暑い所だと熟成が早まります。それは良い場合も悪い場合もあります。
じっくり長期熟成には良くありません。
反対に若いワインを無理やり熟成を早める等という方法も有ります。
しかしこれは難しいです。
湿気が無いと乾燥したコルクから空気が入り酸化が進みます。
振動が有るとじっくり熟成出来ません。
おりの沈殿したワインが更に濁ると言う面も有りますが、中の空気と必要以上に混ざり酸化すると言うことがあります。
その昔樽のワインを船に積み外海でどんぶらこ、どんぶらこと樽を揺らし熟成を早めるという事をやっていた時代もありましたが、これはあくまでも度数の強いワインのみです。
でなければデリケイトなワインは味が壊れてしまいます。
明るいと酸化が早まります。(だから濃グリーンのビンが多い)窮屈と言うかよどんだ空気ではなく 風通しが良い方が有難い。
ところで長く暖かいところにあったワインは一旦寝かせた状態で冷やすと(締めれば)よみがえる場合が結構あります。ぜひお試し下さい。
あくまでも古過ぎないワインの場合です。
一度開けたが飲み切れずと言う方も多くいらっしゃいますね。
そういった場合バキュウムで真空にすれば2~3日は味が変わらない。
確かにそうなのですが香りが飛びやすいことも事実です。
そういう場合は予めハーフ・ボトルを用意して詰め替えることも良いかと思います。
僕が子供の時はビー玉を入れて空間をなくしました。
これも一つの裏技です。
当店のBag in Box※を毎週少しずつ飲んでみました。
開けてから1年半かけて飲み干しましたが最後までほとんど味が変わりませんでした。
コック(蛇口)からワインを出すたびに中のビニールが収縮して最後の1杯まで空気に触れないのです。
赤ワインの場合はここまで長く飲めましたがロゼなら3ヶ月、白だと1ヶ月ぐらいでしょうか。
先日フェイスブックで「道上さんのメルマガを読んで、ワインセラーを買うのはやめることにしました」というコメントをいただきました。
ワインセラーがないとワインが保管できない、だからワインが買えない、と思っている方が結構いらっしゃる。
ワインセラーとか大そうなことはあとまわしにしてまずは飲みましょう、気軽に!
※Bag in Box
ビニールバッグBagに空気が入らないように詰めたワインを紙の箱Boxに入れたもの