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外交官 第14話 税金大国なのに超幸せ! (その1) 驚くべき(amazing)デンマーク

【小川 郷太郎】
東大柔道部OB
丸の内柔道倶楽部
外交官

第14話 税金大国なのに超幸せ!
(その1) 驚くべき(amazing)デンマーク

デンマークは私の勤務地の中でも、いろいろな意味で新鮮な驚きを感じた国である。

どんな驚きかというと、先ず身近な話では、殆どの人が職場を定時退勤(通常は午後5時)することである。しかも、そんなに早く退社するのだから、帰りがてらにどこかで一杯飲みに行くのかと思うと、そうではなく、誰もが家路を急いでいる。

だいたいどの家庭も共働きなので、先に帰ったお父さんかお母さんが幼稚園に子供を迎えに行ったり、ちょっとした食材を買って家で夕食の支度をする。旦那さんが先に帰ると、夕食を準備して子どもと一緒に奥さんの帰りを待つのである。

父親も育児休暇をしっかり取る。平日でも乳母車で子供を連れて街を歩いている男性を見ることがある。父親は子供と一緒で幸せそうな表情を見せている。だから出産後の母親は随分と助かるし、何とか仕事と出産を両立させることができる。日本から来ると、育児や家事を男女協働で行うことに目を見張らせられる思いだ。
 
Nyhavn, Copenhagen (2011.8.21)
【 Nyhavn, Copenhagen (2011.8.21) 】



驚くことはまだたくさんある。
この国では勤労者の流動性が高い。平たく言うと、首切りがしやすいことがある。

私自身の経験をお話しよう。職場に勤務成績が芳しくないのでやめてもらいたい人がいた。どう切り出したらいいか、抵抗されたらどう説得しようかなどと思案しながらやや緊張して、「やめてもらいたい」とこちらの意志を伝えた。するとどうだろう、いとも簡単に相手の女性は「わかりました」とひとことで受け入れた。反発の色もなかったので随分と拍子抜けしたことを思い出す。

その後の彼女の消息は不明だったが、やめてから10か月近くたって、ひょっこり現れた。「どうしている?」と聞くと、「まだ仕事を探しています」との答えが返ってきた。ずいぶん悠々とした雰囲気だ。

デンマーク人は生涯平均6〜7回職場を変えると言われている。やめたあと2年間、直前の給与の80〜90%もの手厚い失業手当が支給され、失業期間中に再雇用を促すための職業教育・訓練プログラムを受けられる。政府が「積極的労働市場政策」として投資する金額はGDPの1.9%である(日本は0.3%)。
この女性もこうした国の予算のお蔭で生活に困らず、1年ぐらい自分に合った仕事を探して再就職した。
 
Den Gulle Cottage, Klampenborg (2011.8.21)
【 Den Gulle Cottage, Klampenborg (2011.8.21) 】


日本人の眼からすると、まだまだ驚くべき事実がある。
この国では教育も原則無料なので、親は子供のための学資を貯めたり、受験を心配する必要がない。子供は通常18歳ぐらいになると家を出て自立する。そのとき国から若干の手当てをもらう。それとアルバイトなどで生活できるようになっている。
日本のような受験競争もない。大勢が競って大学進学を目指すのではなく、自分の希望に合った職業を身につけるための技術系の学校を選んで将来に備えることができる。

要するに、18歳で子供が独立していくので、親は子供の学費の心配をする必要がないし、受験競争もない。日本の親から見ると、まるでお伽の国の話のようでもある。


筆者近影

【小川 郷太郎】
現在





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