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ソムリエの追言「自然が生み出す偶然の偉大なる恵み 貴腐ワインについて」



ソムリエの追言
「自然が生み出す偶然の偉大なる恵み 貴腐ワインについて」

貴腐(きふ)ワインと呼ばれるワイン
単なる甘口のワインとはワケが違います
実際にテイスティングで味わいを探っていきます。

ボルドー カディヤック 地区 シャトー・ペイブラン 1998 です。



そうそう、貴腐ワインだからといって、特別なグラスを用意する必要ないです。
飲む時は、なるべく小さいものがいいですけど、
普通の白ワイン用グラスでいいと思います。

どうですか、この色、まさに黄金色。
濃い黄色が、貴腐ワインの共通の特徴ですね。

樽の影響、熟成(じゅくせい)による色の変化もありますが、
まさにブドウのエキスが凝縮(ぎょうしゅく)した色です。
この色だけで、美味しそうにみえる色合いですよね。

ワイン好きなら、もう、これだけで、期待しちゃいます。

香りは強いです。 ソムリエ的表現ですと 「花の蜜(みつ)」なんて感じでしょうか。 あとから、甘さを感じさせる香りが浮かんで来ます。

はちみつ、
カリンのキャンディー
メープルシロップ

グラスを回してみます。
また、違った香りがでてきます。
ケミカルの香り。化学的な、あまり、いい表現ではありませんが、セメダインのような。
すこし、スーとするかおりです。
あ、ちょっとだけ ハーブやスパイス  アニスシードみないな香りが感じられます。甘いけど少しアクセントが効いてるかな というイメージです。

では、飲んでみますね。

ふくよかで とろりとした口当たり。
中心は、甘ーい果実味。でも、砂糖や甘味料の甘さではない奥深さがある甘さです。

その奥深さをささえているのが、心地よい苦味です。
ミネラル、樽(たる)からくる苦味が甘味を支えて、バランスよく整えています。

甘味が中心なんですが、甘ったるくないんです。
しっかりと酸味があるから、切れ味がある。自然な切れ味です。

とろりとした味わいがコクにつながり、ボディをつくってます。

もう一回、飲みますね。
1.2.3....8.9 余韻(よいん)は、9秒と長いです。
しかも 熱い感じが残りますね。
品質の良いワインであること、まだまだ熟成していくことを示しています。
力強さを感じさせます。長い熟成できるのが、貴腐ワインの証でもあります。

とろりとした感触に心地よい甘さと苦味、酸味のバランスのよさ、そして長く強い余韻、

特にバランスのよさと、長い余韻。
やはりフランスボルドーの貴腐ワインって他の甘口ワインとは違います。


さて、味わいの特徴に合わせて、料理を考えてみますと・・・

甘さとコク ここに焦点をあわせると、定番のフォアグラのテリーヌ、豚肉のリエット など濃厚な味わいのものが合います。少し塩気があるとさらに合うと思います。
塩といえば、塩味のあるチーズ、青カビのチーズ、ロックフォールもマリアージュの定番です。塩味と甘さ、コクがこれまたよく合います

もう少し料理的なものは、甘さと苦味にポイントをあてて、考えると、
北京ダックや、スペアリブなどがいいですね。それぞれの焼き目、こげの部分に
苦味がマッチして風味を広げるはずです。
北京ダックの味噌だれ甜麺醤(てんめんじゃん)の代わりとしてや、
スペアリブはハチミツを使って焼き上げたものなど抜群の相性ですね。



ハチミツを使ったソースにも合いますが、
甘味のあるたれを使った焼き鳥なんてのもいいですね。
そうそう、肝心(かんじん)のデザートワインとしては、
やはり甘味と苦味とコクを意識することがポイントですね。

焼き上げたリンゴのタルト、ミルフィーユには、それぞれ焼きの香ばしさに、
栗やサツマイモのピューレを使ったデザートには実の甘さとコクにピッタリと来ると思います。

もちろん、そのほか、食後や寝る前に貴腐ワインだけで、楽しむのもお薦めです。

普通のワインと違い糖度が高いので、飲み残しても、しっかり栓をして冷蔵庫などでしまっておけば、10日から2週間程度は 味もそれほど変わらず飲めます。

そんな特徴を行かして、ぜひ貴腐ワインを気軽に楽しんで頂きたいと思います。




この独特な貴腐ワイン、単なる甘口のワインとは造り方も違うんです。
気候条件と、人間の労力によって出来たまさに結晶のようなワインなんです。
この季節 ボルドー ソーテルヌ地区一帯に広がる、朝もやによる湿度によって、ブドウの実には、カビの一種がつきます。 名前をボトリティス・シネレア ここでは、単に貴腐菌(きふきん)と呼びます。

湿度がないと、貴腐菌がつかないんですね。
これが、また黒ブドウだと単なるカビとなって、ダメになってしまいます。
ワインにならなくなります。
一部の白ブドウだけが、上手く作用するわけです。
ここから貴腐「高貴(こうき)なる腐敗(ふはい)」という言葉になったのでしょう。

貴腐の恵をうける人間とは別で、ブドウにとっては、
菌がつくということは、ある意味恐怖の始まりです。

何故かというと。まずは、付着した菌から魔の菌糸(きんし)が伸びていきます。
ミクロの世界では鱗(うろこ)状になっている果皮の隙間(すきま)から、入り込み、皮のなかで発達していきます。 黄色い粒の表面に赤紫色の斑点があらわれます。

しばらくすると、これまた不思議、粒全体が紫色になって、黒ブドウみたくなります。
そのうち、どんどん菌が発達して、菌糸が入り込んだ穴から、水分が蒸発していきます。
やがてブドウの水分がほとんどなくなり、最後は皮がしわしわになってつぶれたようになっていきます。 ブドウの実としては大迷惑です。



でも、結果、ブドウの実の糖分などの成分が濃縮されることになります。
この濃縮したブドウのエキスを使ってできるワインが、貴腐ワインなのです。

ただ、気まぐれな菌のこと。ブドウの畑、樹、房、一斉にはつきません。
一房のブドウの実でも、菌がついて貴腐化が進んだものと、まだ菌がついてないものとがあるわけです。 できるだけ、収穫を遅らせ、全体が貴腐化するのを待ち、一房ごとに選んで収穫をしていきます。

高級シャトーものは、房ではなく粒ごと!に収穫していきます。その結果、できあがるワインは、熟成とともに 偉大さをますのですが、コストも増大、したがって価格も偉大、いやものすごい価格になります。

この貴腐ワインでは、何日も、何度も収穫することになり、その期間が2ヶ月に及ぶこともあるのです。 通常のワイン用のブドウの収穫は、短時間で収穫を終わらせることとは対照的です。

また、しなびたブドウからつくるため、1本のブドウ樹木でつくるワインの量は、他の産地に比べて極端(きょくたん)に少ないです。 普通はブドウの樹木 1本から ワイン1本。 メドックの高級シャトーのものは、樹木1本から、ワイン1本の半分。

でも、貴腐ワインの場合はそれよりも少なくなります。グラス1、2杯でしょうか。 貴腐ワインのトップクラスになると、1本の木から グラス半分の量しかワインがつくれないというのです。

期間も長く、手間がかかる、量も少ない。さらに、気まぐれな自然によって、毎年、安定した量を造ることができない。 このへんが、貴腐ワインの高額になってしまう理由です。

高額ゆえに、みんなが飲まなくなると、有名シャトーだけが残って、一般的な貴腐ワインのシャトーがなくなってしまうのではないかと心配です。
かつては王侯貴族(おうこうきぞく)が夢中になっていた甘口の貴腐ワイン。
今では、ワイン愛好者にとってなんとか手が届くまでになっています。

しかし、日本でもなかなか、デザートワイン、貴腐ワインを日常で楽しむ習慣はまだまだです。

貴腐ワインを、もっと手軽に飲みやすくするかは、意外と私達飲む側にもかかっているような気がします。 皆さんは、どう、思いますか。




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ソムリエの追言「フランスワインたらしめるコンセプト テロワールについて」 


ソムリエの追言
「フランスワインたらしめるコンセプト テロワールについて」 

特殊な貴腐ワイン 茂った樹木の間から、朝日が差し込む。
肌寒さを感じさせるシンとした空気の中に、聞こえる静かなせせらぎ。
シロンの小川が奏でる軽やかなさざなみの上に、この季節独特の朝もやが立ち上り始めた。

10月~11月にかけて、ここソーテルヌは、ゆっくりと辺り一帯がもやに包まれる。
ひんやりとした、湿度と冷気を頬に感じる。
畑のブドウが朝日に照らされ、輝いている、まるで黄金のブドウのように。
いつの間にか、ブドウの実に水滴がついているからだ。

この湿度が、ブドウに「貴腐菌(きふきん)」となるカビを付け、
濃縮するため果皮に穴を空けていく。

ゆるやかな時が流れて、 陽が高く上る、秋の午後の暖かさを感じる頃には、
ブドウ畑ではもやが晴れ、あちらこちらのブドウ実から 果汁の水分が目に見えぬ水蒸気となって昇っていく・・・

「テロワール」の恩恵を受け、ここソーテルヌ地区のカビが生えたブドウは 貴腐ブドウへ、そして貴腐ワインへと転生(てんしょう)していく。


朝日の差し込む畑

偶然の自然的要因 「テロワール」
カッコイイ響きです。

ワイン通の間では、ごく当然の言葉で使われますが、
一言で表せない、言葉でもあります。

辞書で引くと、 【耕地、農産地、産地】 と出ています。

しかし、ワイン通の言う「テロワール」は、
その土地の様々な要因で作られた土地の個性 と解されています。

その要因は

【気候】  
気温
日照量
緯度(いど
降雨量



【土壌】
含有成分(がんゆうせいぶん
地層の構成
水捌(みずは)け
PH(酸度・アルカリ度)
肥沃(ひよく
きめ

【地勢】
傾斜
標高
畑の向き・方角

と、様々です。

ワインの元は、ブドウ。
ブドウは農産物で、植物。
植物が、よりよく育つための、要因です。
大地からの水と養分、 空からの日光をうけて
病虫害を避けるべく、風をうけて育っていくのです。

日本の中でも、北海道と沖縄が異なるように、
場所が違えば、気候が異なります。

そして、同じ地域でも、川の存在や、 斜面の微妙な傾斜の違いや向きの違いによって変わる 日当たりや風の量でも異なるという 「ミクロ・クリマ(微気候)」が、存在するとか。

その代表例が最初に挙げたソーテルヌ。
この地区だけ、特別な偶然の「ミクロ・クリマ」「テロワール」によって
特別な「貴腐ワイン」ができるのです。

また、同じ畑の中でも、 「ミクロ・クリマ」が、存在すると考えられています。

このためか、 まことしやかに言われているのは、 同じ地区でも、隣の畑とこの畑では、自然的な要因が違うので、 出来るブドウ・ワインが違うといわれます。

偉大なる人の「力」 確かに、そうかも知れません。

でも、実際、先日のサン・テミリオンのクロ・サン・ヴァンサン一帯で 見たとおり、
畑が違えば、所有者の手入れの仕方も違います。

ですから、出来るブドウ、ひいてはワインも異なります。

自然的な要因だけではなく、
実際に携わる、人の要因も大きいのです。

また、土壌も、ボルドー・グラーヴの畑のピレネー山脈からの小石を活かした畑や、
小石を活かした畑
【グラーヴ地区の畑】


南フランス・ローヌ渓谷のアルプスからの丸い大きな石がある畑など、
南ローヌの畑
【南ローヌ の 畑】

普通の土だけの畑とことなり、
蓄熱(ちくねつ)を活かす「テロワール」として有名です。

しかし、これを活かす判断をしたのは、結局、人なわけです。

人の力があって初めて真の「テロワール」が、ワインに現われるわけです。

最近の日本のワイン生産者の目覚しい成長。
ここ、日本にだって、多湿の「テロワール」があるわけです。
その「テロワール」を徐々に、人の知恵や技術で克服していって
よりよりワイン造りに活かすようにしているわけです。
高棚式栽培
【日本の湿度を避ける、高棚式栽培】

遥かなる「テロワール」 フランスの長い歴史の中で、見つけ育てられた「テロワール」
フランス・ワインを象徴するコンセプト。

これから、世界各地でその新しい「テロワール」が生み出されてくるはずです。

一時、フランスの、「カベルネ」「シャルドネ」が、世界中に行渡りました。
その後、やはり、その地にはその地にあったブドウがあるはずという回帰的な
土着【品種】主義に戻ってきたところもあります。

フランス以外の産地が、その地の「テロワール」にあったブドウを見つけ、育んでいけば、 新しい「テロワール」と新しいワインの世界が開けてくるように思えます。
ただし、100年後、いや、1,000年後になるかもしれませんが。

それだけ、ワイン造りにおける成果が、根付くには、時間というものがかかるんです。



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ソムリエの追言「なぜ、日本のワインは値段が高いの?」


ソムリエの追言
「なぜ、日本のワインは値段が高いの?」

ブラインド・テイスティングのプレゼント
ワインイメージ 「やや、香りに青さを感じるのと、
酸味が果実味よりも、主張している部分がある」

「・・・ブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨンだが、
産地はニュージーランドあたり?」

20年前、よく通っていたレストランへ ソムリエ試験学科合格祝いを兼ねて食事に行った夜。 その店のソムリエが 2次試験のブラインド・テスト用に用意してくれた赤ワイン。 サプライズのプレゼント、しかもブラインド・テイスティングとなったわけです。

残念ながら、その場では正解できませんでしたが、 銀のアルミホイルを剥がしてでてきたのは 「城の平 カベルネ・ソーヴィニヨン」! 1997年当時で既に¥10,000していた 高額ワインです。 味わいはというと、確かに品質の高さを感じる バランスのとれた味わいではありましたが、 色々な国々のワインを飲みはじめた時期で、 正直、優しすぎる味わい、物足りなさを感じてました。

今よりも、ワインのこと全然わかっていないのもあります。
「自分なら¥10,000出して、買えない、いや買わない」 と勝手に仕分けていました。
プレゼントでもらっておきながら、ホント失礼ですね。

国産ワインの現状
長野県原産地呼称 国産ワインの品質が向上してきていると聞いて久しいです。 2002年の長野県や 山梨県甲州市の原産地呼称制度を取り入れはじめた動きもあり、 ホテルや高級レストランでも、国産ワインを取り扱いはじめていると聞いています。

でも、常に感じるのは、コスト・パフォーマンスの悪さ。

最近でこそ、 ¥1000を切る国産ワインらしきもの(?)が多くありますが、 まだまだその多くが、濃縮(のうしゅく)した原料ブドウを海外から輸入したものを使って日本国内で醸造しているものです。
(一昔前よりも、こういったやり方は減っているらしいですが)

純粋に、日本のブドウで、日本で醸造されたワインで 海外のワインの低価格に対抗できるものは少ないです。 輸入ワインには送料はもちろん関税がかかる。 なのに、輸入ワインの方が安い。 しかも、同程度の価格なら国産より質がよい。 これは、何故なんでしょうか。

まず、生産原価が高い。 人件費が高い。そして、土地が高い。 輸送費用も高い。 特に生産原価についてです。 数多くある大手ワイナリーも 実のところ、 ブドウ栽培からワインの生産まで 全部引き受けてやっているところは 少ない。 つまり、ブドウの栽培に限って見たら 契約しているブドウ栽培農家との取引が関わってくる。

【かつては、ワイナリーから農家へのブドウの支払が現金ではなく、 ワインだったそうです。
そう、現物支給!今はさすがにないと思いますが】

生食用のブドウの方が高く売れるため、 ワイン用のブドウを作るところが少ないのが現状です。 なにしろ、歴史的には、生食用のブドウが売れ残ったものを ワインにしていたという産地もあります。 結果、大手ワイナリーも原料としてのブドウを買い付ける価格が高くなる。
どうしても、ワインに仕上げる価格に反映されてしまうわけです。

ワインの値段は 数とブランドから
ブドウ 多くのワイナリーはビジネスとして成り立つよう、生産を計画していきます。 つまり、造る量があらかじめ決まっているわけです。

ワインに関しては、1年に1回しか造れない。たとえ、その年の出来が良かったり、マスメディアに取り上げられ話題になって、売切れになっても急な増産はできません。

極端な話では、来年分は既に仕込まれているので、
倍増するなんてことも出来ないわけです。

一方で、天候などによって、ブドウの生育が悪い年もあります。 これはこれで、収量が少なくなるのと同時に、 悪い年はそれだけケアも必要となるのでコストが掛かります。
本当は、高く売りたいところですが、そうもいかないわけで・・・。

こういった、リスクマネジメントから大手でも増産に踏み込めない。
もっと売れれば、いや、拡大生産をしていけばコストも下がるのでしょうが。
一方、大手もふくめて、多くのワイナリーが今は、 収量を落とし、質を高めて好評価を得たいという方向性があります。

作る量が少なければ、その少ない量でワイナリーを賄っていかなければならないのでどうしても、価格は割高になっていきます。

国産の大手有名ワイナリーのトップ・ブランドの生産量は、1000本強。 このあたりのブランド化戦略も全体の価格上昇に影響がある気がします。 希少性によって、その価値を高める戦略も大事ですが、 広告宣伝ができる大手ワイナリーが、この戦略では拡大生産も望めるわけもなく、 国産ワインにスポットが当っているにも関わらず、生産量は一定のままです。

しばらくは、この現状が続くと思われます・・・。


【道上の追言】
もう既に8~9年に成りますでしょうか?
南アのワイナリーで、従業員の日当が10ドルを超えたと嘆いて居ました。
10ドル×25日だとしても月250ドル これだと日本のワイナリーはかないません
相当良い品質の物を作らない限りです。
葡萄園は1200ヘククタール、これではフランスの生産者も敵いません。
インド洋、大西洋からの風を受けると言う好立地でした。


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ソムリエの追言「栗がワインに一役買う?-パリの森は栗がたわわ」



ソムリエの追言
「栗がワインに一役買う?-パリの森は栗がたわわ」


収穫の秋ー。
森で秋の収穫といえば、やはり栗!

栗

ご存知ですか?ネゴシアンなどのフランスのワイン仕入れ担当者は
前に飲んだワインの味を消すために 栗をポケットに忍ばせているんですよ。
あちらでワインのプロ達が使うテクニックです。

さてさて、フランス人もマロンや小ぶりの栗のシャンティは大好き!
街頭では焼き栗の匂いが香ばしく

栗 栗

パティスリーのショーウインドーにはマロングラッセが並びます。
フランスでクリスマスのご近所へのプレゼントといえば チョコレートかマロングラッセ!

チョコレート

エヴァンだってチョコレート屋なのに、
クリスマス前のショーウィンドーはマロングラッセ一色です。

クレープにも塗る栗ペーストなどは 大きな缶詰に入って売っているほど。

栗ペースト

母親は栗の缶詰と間違えて買ってきたことが2度もありました。
開けてびっくり!!栗ご飯のはずが、ペースト!?
1キロもどうするの?栗きんとんにしても多すぎる。。。

失敗談はさておき、これだけ栗好きのフランス人ですが、
栗拾いという習慣はあまりないようです。
これがフランス人だからなのか 見栄っぱりパリジャンだからなのかは正直わかりません。

パリ近郊には森が広がっているので 実は栗の木が沢山あります。
ワイン用語でいうところのsous-bois(スーブワ)=森の下生えは、 晩秋の森を示すので、
少々早いですが それに近い森の匂いがしますよ。

パリ郊外の森

さて、日本人家族はこの季節の週末、一度は森の民と化します。
我が家の場合は、アパルトマンの前を流れるセーヌ川を挟んで 目の前に広がる森。
パリの東にあるサンクルーの森がテリトリーでした。
実は、ここは意外に知られていない穴場。
なぜならば、一応れっきとした公園だからです。

ほとんど一山という広大な敷地ですが、
ヴェルサイユ宮殿の正門のような豪華な柵で
公道としきられており、 ところどころに芝や宮廷風の彫刻があるところです。
まさか、そんな庭園内で 栗がゴロゴロなんてなかなか想像できないでしょう。
庭園

お城や庭園の奥に広がる森で遊ぶというのは、 フランスではよくある風景ですが、
今一度振り返れば、なんとも贅沢で、 少女心には宮殿を庭に遊ぶお姫様気分です。

栗の森の中で、振り返れば、
ふとロココ調の彫刻に噴水があったり、
森を出て開けた広場は ヴェルサイユと同じ庭園設計士ルノートルの庭園。
そんなお城のような森で栗を頂戴するなんて、
ちょっとした泥棒気分です。

「東京じゃこんな贅沢、ただ(無料)で出来ないよね~」とか
「日本でこれだけの栗、買ったらいくらかな~」など
生意気なことを子供同士話し合ったりしたものです。
姫のつもりがやはり庶民。 親の会話の鸚鵡返しなのですから。

幼稚園児の妹も大切な戦闘員。
午後にのんびりと出かけ、
栗の棘や、毬栗の中から時々にょろっとでてくる芋虫と戦いながら、
2時間くらいで大量に拾います。

これが栗ご飯や、焼き栗になる~♪
と思うとワクワクが止まりません。
だいたい家族で5キロの収穫です。

さて、日本人学校の行事でも栗拾いは一大イベントです。
こちらは、さすがにちゃんとした森で行います。
向かうところはパリの南西に広がるムードンの森。
(フランス語だと「ムドン」という発音)

ムードンの森

マニアックな話ですが、マリーアントワネットの長男の
ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ・フランソワが
ヴェルサイユから離れて 脊椎カリエスの療養をしていた場所といえば
かの有名なマンガでイメージが伝わる淑女も多いのでは?

さて、森には小学校1年生から中学校3年生までの
全校生徒が大集合! お弁当タイムを挟んで、かなり長い時間
もくもくと拾いつづける生徒達。
家族の期待を一身に背負って、 どの子供も一生懸命なのです。

結果、子供でも3-4キロは確実に拾えます。
少なく見積もっても、各学年30人×9学年×4キロとして 1080キロ!!
つまり1トンを超える栗が
森から日本人の子供によって ただで持ち出されているのです!

時価にしたら一体如何ほど? 栗のキロ単価を覚えていないのですが、
1,000円だったら100万円です!
おそらく事務局がムードンの街に事前に申請しているんでしょうね。
でないと立派な窃盗団ですもの!

翌日の学校のお弁当は栗ご飯一色、
黄色い秋色に染まります!

日本より一足早く、 パリの街路樹のマロニエの紅葉も真っ盛り。
一番パリらしい季節が秋ともいえます。

たわわに実った栗のように
皆さんにとっても実り多き秋になりますように。

焼いた栗には貴腐ワインもぴったり♪
栗ご飯には白ワイン♪

秋の夜長に栗とワインのマリアージュもぜひお試しください。

パリのパノラマ

サンクルーの森からセーヌ川越しに見える ブローニュビヤンクール市とパリのパノラマ



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バックナンバー( 最新5話分)

■コルクを抜くまでの保存方法や温度管理は?

ワインセラーは保存に適していない?
窮屈すぎるワインセラーの空間、その理由は・・・。

■ワインの上手な購入方法を教えて!

よくある質問の一つ、ワインはどんなお店で買うのが良いのか。
コストパフォーマンスの良い仕入れとは?
沢山種類を置いてあるお店のワインは高い?その理由とは・・・。

■ワインはご飯のようなもの?

フランス人は多くの日本人が毎回違ったワインを首をかしげながら飲む姿を見てびっくりしています。
日本人は毎回毎回違うお米を買うでしょうか?多くの方はお好みのお米があります。
同じようにワインも同じものを飲み続けることでワインに対する基準ができるようになります。

■ボルドーとブルゴーニュ

日本ではボルドーとブルゴーニュはフランスの2大生産地として、ワインの双璧のように言われていますが、実際のところは?ヨーロッパでのブルゴーニュの赤ワインの評価は?

■ワインは栓を開けてからどのくらいの時間美味しく飲める?

ワインや好みによりますが、一般に売られているワインなら30分位といったところでしょうか。しかし、カベルネソーヴィニョンの割合が高いものは2時間位経ったほうが美味しい場合が多く、何と開けてから翌日の方が美味しくなっているワインも??

■ボルドーの赤ワインは他と何が違うのでしょう?

ワインの歴史、生産量、どれをとってもボルドーは世界を圧倒しています。
フランスにとってそしてヨーロッパの歴史においてボルドーは大変重要な都市です。
フランス史上2度もボルドーに首都が置かれたことをご存知ですか?

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ソムリエの追言「ワインとフルーツ」



ソムリエの追言
「ワインとフルーツ」



To try strawberry... It brings out flavor the champagne.
(苺を試してごらん、シャンパンの香りを引き立たせるよ)

映画「プリティ・ウーマン」でジュリア・ロバーツ扮するヴィヴィアンに リチャード・ギアがシャンパーニュと苺を勧めるシーンはあまりにも有名ですが 一般的に生のフルーツとワインは合わないと言われる事が多いようです。

フルーツの秋ブドウ、リンゴ、梨、柿・・・ 旬の果物がスーパーに並び実りの秋を感じます。

私は毎日のようにワインを飲みますが あまり意識してフルーツとワインの相性を考えた事がありませんでした。 一緒に食する機会が少ないからかもしれません。


今回は秋のフルーツとワインを色々と試した結果、
良い組合せや意外な組合せを紹介します。

白ワインロゼワイン赤ワインスパークリング
ブドウ
×
キウイ
×
リンゴ
×
×
オレンジ
◎good  〇まあまあ  △微妙  ×合わない


まずはワインの原料でもあるブドウです。
ブドウの中でも皮が緑色のマスカットと白ワイン 「シャトー・ラモット」は悪くないと思いましたが 巨峰のような紫色のブドウと赤ワイン 「ジョンカード白ラベル」は皮のエグ味が強調されるようで 舌に残るザラザラした渋味を強く感じてしまいました。

「このワインは土のような香りがあるので、きのことの相性が良い!」 なんてセリフを聞いた事のある方も多いのではないでしょうか?

ワイン本来の魅力は味にありますが、 香りに共通項がある料理とワインは合わせやすいとも言われています。 そういう意味では「ブドウの香り」がするワインは 当然フルーツのブドウとも相性も良いだろうと勝手に想像していたのですが 思いのほか難しい組合せとなってしまいました。 赤ワインのコクは薄く感じ、渋味だけが強調されてしまいます。

ロゼワイン 不思議とブドウとの相性が良かったのはロゼワインです。

ワインの酸味をブドウの甘みが包み込むように口の中に広がって マスカットも巨峰もどちらとも美味しく楽しめました。
「ロゼワイン万能説」を掲げる私ですが 今回の実験で改めてロゼワインのすごさを実感しました。


ただ今回、残念ながらどのワインとも 相性があまりよくないと感じる果物もありました。 それはリンゴです。 リンゴに多く含まれるリンゴ酸はワインの中にも存在します。 通常、リンゴ酸は不快な酸味として醸造の際に マロラクティック発酵という過程を経て 乳酸に変えてまろやかな味に仕上げます。
ところが、リンゴと一緒にワインを飲むと 少なくなったはずのリンゴ酸が強烈に主張してきて、 口の中が酸味でいっぱいになってしまうのです。

あるオリーブオイルの専門家の方は、 何十種類ものオイルをテイスティングする際 リンゴで口の中をリセットすると仰っていました。 リンゴの酸味が口の中に残ったオイルをさらっと流してくれるそうです。 同じようにワインの旨味や余韻も フレッシュなリンゴの酸味でかき消されて 流されてしまうのです。

では酸味のあるフルーツはどれも相性が悪いのかと言えばそんな事はありません! 白ワインのもつ酸味とオレンジの酸味は非常に相性が良く、 ひとまとめに酸味と言っても、リンゴの時とは味の広がりがまったく違います。 酸味が主張しながらも全体の味わいがまとまっていて 白、ロゼともに美味しく飲めました。

爽やかなスパークリングワインは全般的にフルーツとの相性が良いのですが オレンジとスパークリングワインは、ワインそのものの味というよりも ちょっとしたカクテルのような味わいで女性に人気がありそうです。

柿思いのほかワインとの相性が素晴らしかったのが柿です、特に赤ワイン。

フルーツと一緒に食べると強調されてしまう赤ワインの渋味ですが、 多少渋味のあるフルーツと組み合わせれば ワインの渋味も気にならないのでは?との思惑がバッチリ当りました。


甘く芳醇な風味は赤ワインの酸味、渋味ともバランスよく調和し、 口の中にふくよかな旨味が広がります。 柿は白和えやサラダなど料理の具材としてもよく使われますが 生ハムメロンならぬ、生ハム柿は赤ワインととてもよく合うお手軽料理です。 柿のとろっとした甘みと生ハムの旨味・塩味はワインとの相性抜群。

フルーツは水分を抜いてドライフルーツにすれば、 ワインとも合わせやすくなる物が多いのですが、 まさに”和製ドライフルーツ”の干し柿は ワインに合うドライフルーツの代表格です。
さらに干し柿とクリームチーズと合わせると どんな赤ワインでも美味しく飲めてしまいます。 もちろん、ジョンカードとの組合せも最高です。

全体としてフルーツの中でも ・酸味の強すぎないもの ・水分が少なく質感のあるもの は比較的ワインと合わせやすい傾向にあるように感じました。

ぜひ、お試し下さい!


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