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ソムリエの追言「ワインの魅力は香り?味?」


ソムリエの追言
ワインの魅力は香り?味?



ワインの良し悪しを判断する一番のポイントはどこにあるのでしょうか?

エルヴェ・ティス博士 フランスの物理学者エルヴェ・ティス博士が、 「ワインは鼻で飲む!」と提唱するように、 数あるアルコールの中でワインほど多種多様な香りの広がりをもつものは、 他にないように思います。

私もレストランで働いていた頃、ワインの香りをすごく重要視していました。 その理由は、ワインの特徴をお客様にお伝えしやすいからです。

同じ感覚で、新しい商材を探しにいく試飲会場では、
香りを頼りに、目ぼしいワインを探していました。

広い会場を回ってそれこそ何十種類もワインを試飲していく際、 私の中で記憶に残っているものは味の特徴よりも香りでした。 しかしこれ、道上に言わせるとソムリエの悪い所らしく、 「仕入れの立場としては、あくまでも味を重視しなければならない。 なぜなら輸送にともなう振動、飲む温度、熟成・・・細かい状況でワインの味は大きく変化してしまう。

それに対して香りはそれほど影響を受けない。インポーターは、ワインが今どういう味わいで、どういう香りなのかを見ると同時に、この先どう変化していくのかを一瞬で判断しなければならない、変化の少ない香りばかり嗅いでいたのでは駄目だ。」と。
こう叱られてしまい、この仕事の難しさをずいぶん考えさせられたものです。


【香りの役割】
ワインの香りは一般に果物や花に例えられることが多く、
他には野菜、香辛料、ハーブ、動物臭など様々に表現されます。

MICHIAGMIワインで言えば、デュック・ダンリから青リンゴのような果実の香り、 シャトー・ラモットのロゼからはピーマンやトマトの香り、 そして香りが開いたジョンカードの紅白ラベル赤ラベルからは、 ビターチョコレートのようなほろ苦い香りが感じられます。

ある香水の香りを嗅ぐと、 ふとその香水を使っている人の顔が思い浮かぶ事があります。 しかし、この香りの記憶というのは感覚的なもので、 それがどんな香りか言葉で説明するのは、すごく難しいのです。

そこで、その香りを、似たような香りを持つ一般的な物にたとえて、 相手にイメージを伝わりやすくしているのです。 ただ漠然と、「甘い香り」と言われるよりも、 「蜂蜜のような甘い香り」と言われた方が、 イメージがぐっと鮮明になりますね。

また、自分でそのワインがどんな香りだったのか、 記憶しておくのに、何かにたとえる表現はすごく役立ちます。 ところが、ソムリエコンテストの影響からか、 感じられるニュアンスを10個も20個も羅列しているテイスティングコメントを見かける事があります。

コンテストでは表現力も評価されるので、「たくさん言った者勝ち!」的なところもありますが、これでは受け手に上手くイメージが伝わってきません。 全体像として支配的な香りは何なのか、 またそれに伴う補助的な香りは何なのか、 表現のうえでは的を絞ってとらえる事が大切だと考えています。


【果実香への回帰】
樽元来、ワインの香りとは果実の香り、熟成によって変化する葡萄の香りをさしていました。ところが20年ほど前から樽香がしっかりついたワインがもてはやされるようになりました。
熟成させる際に、木の香りが強くでる新樽をどれくらいの割合で使うか(新樽比率)が、使用する葡萄品種の比率(セパージュ)よりも注目されたそうです。

※樽熟成の際に全体で100個の樽にワインを詰めるとした場合100個すべてを新樽で揃えれば新樽比率100%、その内50個を新樽にして残り50個の古樽とブレンドした場合、新樽比率は50%になります。

中にはブルゴーニュのドミニク・ローランのように新樽に詰めた熟成中のワインを 半年後にまた別の新樽に移し変える「新樽200%」なる技法を使う生産者も登場し、 いったいワインを飲んでいるのか、オークのエキスを飲んでいるのか、分らないぐらい強い木の香りをつけたワインが流行っていました。 その風潮もすこし落ち着きをみせているようです。

フルーツ最近の傾向では、白ワインは南アフリカのシャルドネのように白桃やパイナップル、マンゴーといったトロピカルフルーツのアロマが強く感じられるタイプ、赤ワインは果実味を活かしつつ比較的早い時期から熟成感を楽しめるメルローを主体にしたタイプが注目されています。

いずれにしても、樽香だけに頼らない、葡萄本来の味わいを大切にした造り手に人気が集まっていると言えます。


【ワインは食事とともに】
ワインがこんなに豊かな、そしてはっきりとした香りを持つのは、 フランス料理のためではないでしょうか。 素材も味付けも多種多様で主張の強いフランス料理、 だから料理に合わせるワインも表現豊かなのだと思います。

そう考えると、美味しくて力強い料理には、なんとワインの必要な事でしょう!



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ソムリエの追言「体が求めるワイン ~複数ワインの飲みくらべ~」



ソムリエの追言
体が求めるワイン ~複数ワインの飲みくらべ~


皆さんは普段自宅でワインを楽しむ時、どんな風に飲んでいますか?

道上はつねづね、同じワインを一年間通して飲む事を推奨しています。
そうする事によって季節感、その日の体調、または一緒に食べる料理によって同じワインの味わいが これほど違うものかという事に気づき、自分の中にワインの基準のようなものが出来てくると言います。

このようなワインの真髄、ワインをこよなく愛し、楽しむ飲み方ではないかもしれませんが、もっと知識を持ちたい、あるいはソムリエになりたいという方にはこういった飲み方もあります。

【複数本のワインを同時に飲む】
複数本のワインを同時に飲むちょっと変わった飲み方かもしれませんが、ワイン同士を直接比較して飲む事で、それぞれの違いや共通点を知る事につながり、そこからワインの個性が見えてくる事もあります。
これはあくまでも先ほどの様にある程度の基準を分かった上でのほうが良いかと思います。

「1日に何本も開けるなんて、もったいない!」と言う意見もありますが、飲み残したワインはなるべく酸化しないように空気を抜いて、冷蔵庫で保管すれば3日間ぐらいは美味しく飲めます。

1日、2日、と時間をかけて飲む事で、そのワインの違った一面も見えてきます。2日経っても美味しいワインは、味に安定性があるという事なので、たくさん買って寝かせておいても大丈夫かなという一つの目安にもなります。

複数のワインを選ぶ時のポイントは、
① 2本を目安に、多くても3本ぐらいまで
② 金額はなるべく同じぐらいの価格帯で
③ なるべく似たタイプ、同じ品種などの共通項を持ったワインから

飲み比べとは言え、一度にあまりたくさん開けてしまうと、特徴や違いをしっかり憶えるのが難しくなってしまいます。それこそたくさん開けすぎて一週間経っても飲みきれなかったなんて、 悲劇以外の何物でもありません。

また、 値段は2,000円とか2,500円ぐらいのもので十分ですが、なるべく同じぐらいの価格帯から探すようにした方が、偏見なく飲み比べができると思います。選んだワインの金額に大きな開きがあると、どうしても「高いワインだから美味しい!」という先入観にとらわれてしまうものです。

最後に、私はこういう飲み方をする場合、なるべく似たタイプのワインを選ぶようにしています。ソムリエ試験を志した頃、葡萄品種の特徴を知ろうとして、サンテミリオンのメルローとカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンとオーストラリアのシラーズと・・・というような飲み合わせでそれぞれの違いを探ろうとした事もありました。

それぞれワインの違いは分かりやすいのですが、その違いが葡萄品種による違いなのか、国による気候の違いなのか、はたまた畑の土壌や地勢、造り手による違いなのか・・・まったく理解出来ませんでした。

国も品種もバラバラのセット似たようなもので、試験対策用に国も品種もバラバラの12本セットを買って後悔した経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

その葡萄品種の特徴を知りたければ、例えばサンテミリオンのメルローとカリフォルニアのメルローとオーストラリアのメルローを飲み比べて、そこで共通して感じられる特徴こそがメルローの個性だと言えます。

逆にそこで感じられる違いは、別の要因から来ていると推測できるので、次回飲む時には同じ産地のもの同士や、同じ造り手のもの同士といった具合に、共通項を変えながらワインを選んでいけば、その国の特徴、土壌の個性、造り手による違いなどの理解に役に立つ事もあります。
ちなみに道上はよく同じ年代の異なった産地のワインを同時に飲み比べる事をよくやったそうです。

こうして何度か飲み比べをしていると、色々なワインの違いはもとより、自分自身の好みのワインがはっきりと分かってきます。なぜなら複数のワインを平均的に飲み進めているつもりでも、結局自分が一番気に入ったワインが真っ先に無くなってしまうからです。

美味しい物を「食べたい」「飲みたい」という人間の本能は本当に不思議なものですが、自然と体が求めるような、ワインが発見出来るかもしれません。気に入ったワインが見つかったなら、後はその1本を軸として、そのワインを飲み続ければ、自分に合った「ワインの基準」が自然と出来てくるのではないでしょうか。



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ソムリエの追言「知ってるようで意外と知らない!?ワインにぴったり合う料理~塩麹編~」



ソムリエの追言
「知ってるようで意外と知らない!?ワインにぴったり合う料理~塩麹編~」
塩麹塩麹(しおこうじ)とは、麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた、日本の伝統的な調味料です。
日本では古くから野菜や魚の漬物床として利用されてきました。

そんな大人気の塩麹を使った料理と、
ワインの組合せはどうなのでしょうか?


・豆腐の塩麹漬け
3日ぐらい漬けると、大豆から出来ているとは思えないぐらい濃厚な、 まるでチーズのような旨みが出てきます。醤油をかけた冷奴とワインを合わせるのはなかなか難しいですが、この塩麹の旨みがあれば、すんなりワインとも合わせられます。

塩で食べる冷奴はよくありますが、ただ塩味を感じるだけでなく、発酵食品特有の複雑な香りを持っているから、ワインに合うのです。さっぱりとした味わいは、スパークリングワインや少し冷やした軽めの赤ワインと合わせて、夏のおつまみにピッタリです。
デュック・ダンリのフルーティーな後味との相性は抜群です。

・魚の塩麹漬け
これはもう、魚の旨みと麹のまろやかな風味が相まってすごく美味しいです。白ワインとも合いますが、正直に言えばワインより日本酒の方が相性良さそうです。日本酒のふくよかな香りと塩麹の旨みが絶妙の味わいを「醸し」出します。
日本酒はワインと違って、アルコール発酵をさせる前に麹を使いますが、この麹由来の香味は日本酒になっても残っているので、 塩麹を使った料理との相性が非常に良いのです。

・豚肉の塩麹漬け
豚の塩麹漬け塩麹と白ワインに漬けた豚肉をソテー。漬け汁は煮詰めて、バターを溶かして塩・胡椒で味を調えてソースに。ソースに仕上げる事を考えて漬け込む時の塩麹はちょっと少なめに。

ワインは樽の香りがしっかりしたものか、辛口の中にほんの少し果実の甘みを感じられるものを。樽熟成させたワインは香ばしい木のアロマをまとうので、麹と肉の、少し焦げた香りととてもよく合います。

樽熟成をしていないフルーティーなワインであれば、ソースに使ったバターに負けない、コクをもった白ワインが望ましいです。シャトー・ラモットの果実味とコクを合わせて。


すべての素材に共通して言えるのは、単純に調味料として塩麹をつかうよりも、短時間でも素材と一緒に漬け込んだ方が、出来上がりの旨みがぐっと増すという事。でもなぜ、単に塩味がプラスされるだけでなく、素材の味まで良くなるのでしょうか?

これは麹に含まれる「酵素」の力が大きく影響しています。
酵素は食材の細胞を分解することで発酵を進めていきます。この時にできるのが、糖分やアミノ酸といった旨み成分。塩麹から深い美味しさが生まれるのは、この副産物とも言える旨み成分のお陰なのです。分解により食材自体も柔らかくなるので、消化吸収もアップ、味が良くなるだけでなく、胃に負担がかからないのも魅力の一つです。

栄養面から見ると、塩麹に多く含まれているのがビタミンB1、B2、B6といったビタミンB群。
これらの成分には疲労回復効果があり、夏バテにも効果的です。
中でもビタミンB6は脳内伝達物質の合成に不可欠な成分で、アンチエイジングにも非常に効果があると言われています。また、食物繊維と同じような働きをする成分も含まれているため、食べ続けることで便通も改善するそうです。

このメルマガを書くためにたくさん塩麹料理を食べました。
塩麹の味は優しく素朴なのですが、毎日食べ続けると正直ちょっと飽きてしまいます。
甘さと塩気はあるけれど、味にキレが足りません。

そこで、塩麹をもっとスタイリッシュに、更にワインと合わせやすく変身させる方法を紹介します。使用するのは「レモン」!びっくりするくらい塩麹にマッチします。


「白身魚とレモンの塩麹ソテー」
白身魚とレモンの塩麹ソテー焼く前の切り身の魚を塩麹に漬けておき、フライパンで焼く時に一緒に、厚めに切ったレモンスライスを2枚投入。
蒸し焼きにしている間にレモンの果汁がしみ出て、その酸味が塩麹と混ざり合い絶妙なハーモニーを奏でます。

ただ塩麹に漬けた魚だと、日本酒の方が合うように思いましたが、レモンをプラスする事で特に白ワインとの相性が抜群に良くなります。
魚以外にも、豚肉や鶏肉にも応用出来るので、是非お試し下さい。

ワインに合わせる料理の大原則は「塩味・胡椒味・あぶら味」の3つ。
これが3つとも揃えばどんな料理でもワインと美味しく合わせられますが、「胡椒味」、
つまり味のアクセントはレモンのような「酸味」でも代用出来るのかもしれません。



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ソムリエの追言「森の中のシャブリ」



ソムリエの追言
「森の中のシャブリ」



「1870年代当時、ロシアのブルジョワたちは、
とくに2種類のフランスワインを好んだ。

一つはシャンパーニュ、
そしてもう一つはシャブリ・・・。」

ロシアの文豪トルストイの小説、『アンナ・カレーニナ』の一節です。


【シャブリの語源】

シャブリというと、ワインが好きな人でなくとも一度は耳にしたがあるのでは?というぐらい有名な白ワインの銘柄ですが、その名前の由来は、ケルト語で「家」を意味する「CAB」と、「森の近く」を意味する「LEYA」という二つの言葉から来ていると言われています。
その昔、ブルゴーニュの北端、森の近くの小さな村々での生活は、
ワイン産業とともに栄えてきました。


 【ブルゴーニュ地方の北の砦】

フランス・ワイン産地さて、フランス地図をめくってみると、シャブリの生産地はブルゴーニュワインの中心地コート・ドールからずいぶんと北西に外れ、まるで離島のようにポツンと存在している事がわかります。

コート・ドールの北端から距離にしておよそ150km、日本で言えば東名高速道路の東京ICから神奈川を飛び越えて、静岡ICまでの距離と同じぐらい離れたところにあるのです。

こんなに遠くて本当に同じブルゴーニュ地方なのかと疑いたくなるほど。

どうしてこのように、シャブリだけぽつんと飛び石のようになっているのかと言えば、 19世紀中頃までは、シャブリも含めたこの地域全体(ヨンヌ県)がワイン生産で全盛を極めていました。
近くを流れる河を利用して、華の都パリにも容易に運ぶ事が出来る、 そんな流通の利便性もあって、シャブリ地区からコート・ドールまでいたるところでワインが作られて、それらも含めてすべてブルゴーニュと呼ばれていました。

ところがその後、フィロキセラ(害虫)の蔓延、世界大戦、南仏まで開通した鉄道によって価格の安い南仏ワインに市場を奪われるなどの悪条件が、葡萄生産者を直撃します。
次第にワイン生産者の数も激減し、 その近辺にあるほぼ全ての畑では、 葡萄栽培が行なわれなくなってしまいました。

そんな中、葡萄畑を捨てずに現在まで生産を続けた地区の一つが、 はるか150km離れたシャブリ地区だったのです。 生産地が点在している理由には、こんな歴史背景があるのです。


【シャブリの乱立】
やがて名声を獲得していったシャブリですが、ひとたびその名声が高まると、そのブランドに乗っかって、楽にお金儲けようとする人たちが出てくるものです。シャブリ地区でシャルドネから作ったワインには、すべて「シャブリ」と言う名を冠して売れる訳です。
「木の葉を隠すなら森に隠せ」ではありませんが、多くのシャブリが作られていく中で、次第に玉石混交となってしまうのは自然の摂理だったのかもしれません。

つまり同じシャブリでも、味わいにぴんからキリまで差があるのです。中には「シャブリ」の名前に相応しくない、個性のかけらも感じない水のようなシャブリも多く存在しています。


【格付け】
シャブリ階級シャブリの中には4つの階級があり、
・プティ・シャブリ
・シャブリ
・シャブリ・プルミエクリュ
・シャブリ・グランクリュ
と、ランクが上がるにしたがって、畑の個性、凝縮感、香りの複雑性が増していき、それに応じて値段も高くなっていきます。

特にグランクリュ(特級)ともなると、金額的には桁が一つ違ってくる事も。なかなか気軽に楽しくとはいかない訳です。
しかも近年、シャブリの75%はイギリスへ輸出され、イギリス経由で世界に流通しています。流通の過程に仲介業者が入れば、それだけ値段も上がってしまいます。ワインをビジネスと捉える事に非常に長けた国イギリスですが、特に並級のシャブリに品質に見合わない高値がついている事が多いのは、そんな裏事情もあるのです。

格付けはワインの品質を判断する上での目安になります。しかし、ランクが同じであれば同程度の品質が保たれているかといえば、同ランクの中でも、大きな差が存在すると言わざるを得ません。

以前、MICHIGAMIワインで取り扱っていたシャブリは、格付けはプルミエ・クリュですが、味わいはグラン・クリュに匹敵するのではないかと思うぐらい、シャブリらしい個性に溢れたシャブリでした。

シャブリ・プルミエ・クリュ2011年柑橘系のレモンの香り、白い花、シナモン、若いパイナップルを思わせるフレッシュでふくらみある果実香。口に含むと芳醇なアロマがいっぱいに広がります。
酸味とミネラルのバランスも良く、金属を溶かし込んだような、なめらかな質感があります。

その実力は、成田空港にあるエールフランス航空のファーストクラス、ビジネスクラスのラウンジで採用された程。


【シャブリのお供】
シャブリと言えば、その相性の是非がいつも話題になるのが生牡蠣です。
シャブリと生牡蠣、私は大好きな組合せですが、反対派の方からは、「生牡蠣と白ワインでは、牡蠣の生臭さが強調されてしまって美味しくない」という意見もよく頂きます。

実際に当店主催のワイン会で、私も生牡蠣を少し頂きましたが、新鮮な生牡蠣には、嫌な生臭さを感じないものです。そして磯臭さや生臭さの奥にある旨みこそ、生牡蠣を食べる楽しみです。白ワインで生臭さが強調されるという意見も分りますが、個人的には、その感覚が好きだから、白ワインを飲むのです。

納豆は臭いから納豆なのであって、ウォッシュチーズも、臭いからウォッシュチーズなのです。

食材の個性をより良く広げ、伸ばしてくれるのも、ワインの素晴らしさの一つではないでしょうか?


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バックナンバー( 最新5話分)

■コルクを抜くまでの保存方法や温度管理は?

ワインセラーは保存に適していない?
窮屈すぎるワインセラーの空間、その理由は・・・。

■ワインの上手な購入方法を教えて!

よくある質問の一つ、ワインはどんなお店で買うのが良いのか。
コストパフォーマンスの良い仕入れとは?
沢山種類を置いてあるお店のワインは高い?その理由とは・・・。

■ワインはご飯のようなもの?

フランス人は多くの日本人が毎回違ったワインを首をかしげながら飲む姿を見てびっくりしています。
日本人は毎回毎回違うお米を買うでしょうか?多くの方はお好みのお米があります。
同じようにワインも同じものを飲み続けることでワインに対する基準ができるようになります。

■ボルドーとブルゴーニュ

日本ではボルドーとブルゴーニュはフランスの2大生産地として、ワインの双璧のように言われていますが、実際のところは?ヨーロッパでのブルゴーニュの赤ワインの評価は?

■ワインは栓を開けてからどのくらいの時間美味しく飲める?

ワインや好みによりますが、一般に売られているワインなら30分位といったところでしょうか。しかし、カベルネソーヴィニョンの割合が高いものは2時間位経ったほうが美味しい場合が多く、何と開けてから翌日の方が美味しくなっているワインも??

■ボルドーの赤ワインは他と何が違うのでしょう?

ワインの歴史、生産量、どれをとってもボルドーは世界を圧倒しています。
フランスにとってそしてヨーロッパの歴史においてボルドーは大変重要な都市です。
フランス史上2度もボルドーに首都が置かれたことをご存知ですか?

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ソムリエの追言「中身はもちろん、見た目も大切」 ~ワインの外観~

ソムリエの追言
「中身はもちろん、見た目も大切」 ~ワインの外観~



「バナナのような特徴的な香り、
渋味よりも酸味が感じられ、
フルーティーな中にもコクのある味わい

・・・ オーストラリアのシャルドネ・・・?」


醸造学の権威、ボルドー大学の授業では、目隠しした状態でワインを飲む、 ある意味本当のブラインドテイスティングが行なわれています。 視覚を奪われた状態でラベルはもちろん、 グラスの中に注がれたワインの色や濃さもまったく分りません。

専門的にワインの勉強をしている学生さんでさえ、 目隠しした状態では赤ワインと白ワインを間違える解答者が続出するとか。 中間的な味わいのロゼワインになると正解はほとんどでないそうです。

ソムリエ試験に挑戦する受験生達の間では、 よく話題にのぼるエピソードですが、 「赤と白を間違えるなんてそんな訳ないだろう」 と当時は私も受験仲間も、半信半疑に思っていました。

ところが。 試験対策で参加したワインセミナーでの事。
実際に目隠しをして常温の白と赤を飲み比べる機会がありました。

自信満々に目隠ししてグラスを受け取ったのですが・・・
「んんんー!?」 恥ずかしながら、どっちが白か赤かまったく分らなくなってしまいました。
散々悩んだ末に出した答えが冒頭のコメント。
恐る恐る目隠しを外すと、そこにはオーストラリアの白ワインが。
なんとか正解しましたが、 「ボージョレの赤ワインかも・・・」と内心ヒヤヒヤしながらの回答でした。

目隠しをした状態では、 理論的に嗅覚にも味覚にも影響はないはずです。
しかし不思議と、鼻や舌から得られる情報も相対的に少なくなるように感じます。
日頃、いかに自分が視覚からの情報に頼っているのか痛感させられた瞬間でした。

葡萄畑一般に同じ畑で作られた、白ワインと赤ワインは見分けがつかないと言われています。

葡萄園では、同じ畑、同じ区画に白ワイン用の葡萄と赤ワイン用の葡萄が、 隣合わせで植えられているのです。




【セパージュ(品種)】
ワインの色も含めた外観、香り、味などの特徴は、原料となる葡萄品種の個性が大きく影響します。ワインは様々な要素から分類されますが、この品種毎の区分が最も分かりやすい分類かもしれません。
なぜなら、ワインの好みがそのまま品種の好みである場合が一番多いからです。
「あ、このワインおいしい!」 と感じた時には、その品種を覚えておくと良いと思います。

品種を見分ける時に大きな役割を果たすのが、 実は視覚からの情報なのです。
色の濃さや明るさで、大まかな見当は付けられます。
ワインの外観は、人間で言えば「見た目の第一印象」といったところでしょうか。

今回は、品種毎に表れやすい、 外観の特徴を簡単にまとめてみました。


【カベルネ・ソーヴィニヨン】

カベルネソーヴィニョン言わずと知れた葡萄界の王様的な存在です。 宝石に見立ててガーネットと表現される事が多く、 非常に濃い赤黒色をしています。 熟成するにつれて紫や青の色素が薄らいでいき、 全体的には褐色へと近づいていきます。

味わいはタンニンが強く、どっしりとコクの強いフルボディータイプです。

ちなみに裏話をお話しすると、ソムリエ試験のテイスティングにはボルドーの赤ワインは 絶対に出てきません。ボルドーでは基本的に複数品種をアッサンブラージュ(調合)してワインを作るため、品種を当てる問題では正解が複数存在してしまうのです。

例外的に単一品種で作られるボルドーワインもあるのですが、そういう特殊な銘柄は値段もそれなりに張ります。毎年何千名もやってくる受験者にグラス一杯ずつ振舞うのには値段が高過ぎるのでしょう。

MICHIGAMIワインなら
シャトー・ラ・ジョンカード赤ラベル2002年


【メルロー】

メルロー世界でもっとも栽培面積の大きな葡萄品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨンに比べると若干果皮の色が薄く、 ワインにもその特徴が表れています。 美しく深みのある赤で、熟成が進むとレンガ色へと近づいていきます。

味わいは、滑らかでいて濃厚。
比較的若いヴィンテージから楽しめるのも、特徴の一つです。


【ピノ・ノワール】

ピノ・ノアール日本ではブルゴーニュを頂点として、 ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンと人気を二分しているようです。

宝石にたとえてルビーと表現されます。
透明感と深みをあわせ持つ明るい紅色で、華やかな印象。 熟成によって、メルローと同じくレンガ色に変化していきますが、 よりオレンジのニュアンスが強いです。

香りの美しさを楽しむ香水のようなワインです。


ワイン選びのポイント】
一度気に入った品種が見つかれば、 次にワインを選ぶとき、同じ品種のワインから選ぶようにすれば、 大きくはずすこともなく、さらに好みのワインと出会える可能性が高まります。

また、多くの作物が生産地によって違いがあるのと同様に、 葡萄も国や地域によって個性が変化していきます。 ある程度、品種の特徴を理解してくると、 今度は地域による味わいの違いが気になってくるものです。
ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンとチリのカベルネ・ソーヴィニヨンは、
同じブレンド比率であったとしても、随分違いがあるものです。

その辺りの違いはまた次の機会に詳しく書きたいと思います。


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