ソムリエの追言「知ってるようで意外と知らない!?ワインにぴったり合う料理 ~カレー編~」
ソムリエの追言
「知ってるようで意外と知らない!?ワインにぴったり合う料理 ~カレー編~」
数あるお酒の中で、カレーにもっとも合う酒は何かと問われれば、 私はワインだと答えます。
一部には、カレーとワインが合わないなんて言っている方もいるようですが、 カレーの力強く、スパイシーな風味には間違いなく赤ワインがぴったり合います。
ましてや脂味の強いマトン(羊肉)カレーなどは、赤ワインがないと食べられません。
極端な話、カレーには赤ワインしか合わないのではないかとさえ思えます。
歴史的にみても、ボルドーワイン最大の輸入国イギリスでは、18世紀にインドからカレーが伝わり、一般に普及していきました。イギリスでは昔からボルドーのワインとカレーが共に存在し、家庭でも広く食されていたのです。もちろん、現代の日本で食されているカレーとは作り方も味わいも異なりますが、カレーとワインは昔からの深い関係にあるのです。
ではスパークリングや白ワインはどうかと言えば、好みの問題ですが個人的にはあまり合わないように思います。今回このテーマでメルマガを書くにあたって、カレーとスパークリング・白ワインも実際に合わせてみましたが、味わいの繊細さや余韻の軽さから、どうしてもカレーの風味に負けてしまうようです。
スパイスで痺れた口の中では、白ぶどうの持ち味である繊細な果実味やミネラル感をあまり感じられず、お互いの長所があまり活かせないのです。
やはりカレーには赤ワイン。
しかし一言で赤ワインと言っても、繊細で華やかなピノ・ノワールではカレーのスパイシーな風味に負けてしまい、逆にカベルネ・ソーヴィニヨン主体で若いヴィンテージのワインでは、タンニンが荒々しく口の中で渋味と辛味が喧嘩してしまう場合があります。 その他にもシラーなど、スパイス香を強く感じるぶどう品種はたくさんありますが、タンニンが強過ぎたり、熟成に向かなかったり、値段が高かったり・・・手頃な値段で美味しいワインを探すのはなかなか難しいでしょう。
個人的にはメルロー主体の果実味豊かなタイプ、しかも熟成を経て複雑なニュアンスを持ったワインがカレーには合うと思います。この手のタイプはよくよく探せば比較的手頃な値段で美味しい物が手に入りますが、皆様はよくよく探さなくてもMICHIGAMIワインを選んで頂ければ、間違いありません!
営業はさておき、

ワインの果実味もカレーの風味と共にしっかりと主張しており、熟成による少し土っぽいニュアンスが、煮込んだ根野菜の甘味と相まって上質な旨みが感じられます。
さらに白米をバターとニンニクで炒めてバターライスにすれば、香ばしい香りとバターでコーティングされたお米一粒一粒が赤ワインの柔らかいタンニンと同調して旨みへと昇華していきます。バターの脂が、赤ワインのタンニンをより美味しく感じさせ、まさにピッタリの組合せになります。
こんなにワインと合うにも関わらず町のカレースタンドや専門店では、あまりワインを飲んでいる光景は見かけません、そもそもワインを取り扱っていないお店がほとんどではないでしょうか?
日本人にとって、一食500円から900円程度のイメージが強いカレーの単価と、まだまだ高いと思われがちなワインのイメージが中々結びつかないのかもしれません。 お店側も回転率を優先して、ワインのようにゆっくりと楽しむお酒を置きたがらないのも理由の一つです。
ですので、家庭で時間を気にせずゆっくりとカレーを食べる時には、
是非とも赤ワインを飲んでください!
出来れば、カレーに赤ワインを少し加える事で風味がぐっと増し、 より一層ワインに合ってきます。 この時に不味いワインを使うと、せっかくのカレーが台無しになってしまいますが、 かと言って高いワインを使うのは勿体ないので、止めてくださいね! 私はBag In Boxのシャトー・ラ・ジョンカードを使っています。
ボトルと違って、1本開けなくても必要な量だけ使えば良いので、 こういう時本当に便利です。
さらに、カレーの隠し味にコーヒーやチョコレート、バナナやリンゴ、蜂蜜などを加える事がありますが、これらの食材は不思議とワインの香りを表現する時にたとえられるものが多いのです。という事は、隠し味に使った食材と同じニュアンスを持つワインを合わせていけば、よりカレーとワインの相性を楽しめると思います。
もちろん、何もしなくても美味しく合わせられますが、隠し味を使ってカレーの風味をワインに近づけてみるのも一興です、ぜひお試しください。
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