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ソムリエの追言「ワインの適温について」


ソムリエの追言
「ワインの適温について」



今回も皆様からの問い合わせが多い、
ワインの適温についてご紹介させて頂きたいと思います。


【適温にもかなり幅があります
赤ワインは常温で、白ワインやスパークリングワインは冷やして飲むと言われていますが、具体的には何度位の温度なのでしょう?

ボジョレーグラス一般的にはワインの適温は、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種を使った渋味が強いボルドーの赤ワインで、16~18度とされています。

20度を越えるような温度ですと、ワインの魅力的な香りよりも、アルコールのにおいを強く感じてしまい、あまり美味しく飲めません。

反対に温度を下げすぎてしまうと、せっかくのボルドーワインが持つ芳醇な味わいを、楽しむことができなくなってしまいます。 ですが、毎年11月に解禁のお祭りがあるボジョレー・ヌーボーの様な渋味があまりなく、よりフレッシュさを楽しむタイプの赤ワインですと少し低めで、12度位でも宜しいかと思います。
(ワインによってはもっと冷やして頂いても)

一方、冷やした方が良いとされている白ワインの適温は6~10度位です。
(冷蔵庫の野菜室の温度がこれ位、チルド室だともう少し冷たいです)

しかし、コクのあるタイプの白ワイン(例えばフランス・ブルゴーニュのムルソーなど)は12度位と言われています。(夏なら常温のボトルを氷水に入れて30分位、冬なら10分位でこれ位の温度になります)
ムルソーの生産者の中でも、コント・ラフォンやコシュ・デュリのつくるムルソーはもう少し高い温度、14~16度位で飲んだ方が良いと言う意見もあります。


【ボルドーワインを冷やして飲んだ方が、美味しく感じる時も
テラスで赤ワイン私が軽井沢で真冬の一番寒い時(-10℃を越えるような時)に鹿肉のステーキを食べながら飲む、ボルドーの赤ワインは本当に美味しく、18度位が適温かなと思いましたが、 同じ軽井沢でも、少し汗をかくような夏の暑い時に晴れたテラスで飲んだ時は、のどが渇いていたせいもあり、ボルドーの赤ワインでも、冷たい位の赤ワインの方が当然美味しく感じました。

暑い時などは、適温18度にこだわる必要は必ずしも無いと思います。


【白ワインは冷えていた方が美味しいのか
以前働いていたレストランで、お客様がご注文されたコント・ラフォンのムルソーを試飲させて頂く機会があったのですが、セラーから出したばかりの12度位のワインより30分後に試飲したワインの方(15度位に上がっていたと思います)が、冷たい状態よりもムルソーが持つ味わいの特徴である濃厚なコクや果実味が楽しめ、個人的には美味しく感じました。

ペイブランアイスペールそれぞれのワインが持つ味わいを十分引き出すために、 すっきりとした味わいの白ワインならば、低めの温度が良く、 コクのある味わいの白ワインならば、高めの温度が良いと言われていますが、 これは温度が低い方がよりすっきりとした味わいに感じ、 温度が高めの方が、コクや果実味を強く感じるからです。

しかし、すっきりとした白ワインが好きなお客様でしたら ソムリエはコクのある白ワインでも、少し低めの温度でご提供します。
他にも、暖かい晴れた日のテラスのランチでコクのある白ワインをご注文頂いた場合には、 普段よりも少し冷やしぎみにしたりします。 レストランやワインバーに行った時に、そのワインの適温だけでは無く 好みや、その日の気温を考えてワインを提供してもらえれば ワインとお料理が、もっと楽しめますね。


【ブラインドティスティングのワインは、なぜか冷えすぎています
ワインを冷たくしすぎてしまうと、ワインの香りや味わいの違いが分かりづらくなってしまうのですが、ソムリエ試験のブラインドティスティングではその事を利用して、より繊細な嗅覚と味覚のテストですので、かなり冷やしたワインで行われます。

一番最初はすっきりとした味わいとされているフランスのサンセールかシャブリだと思ったのに実際はブルゴーニュのコクのあるワインだったりと、まるっきり違うワインだと思ってしまう事がよくあります。
私がブラインドティスティングの試験に臨む時、 先輩から教わった事で非常に役に立った事があります。 それは「最初にグラスを温めてワインの温度を上げておく」 という事です。

試験の時は、白ワインも赤ワインもキンキンに冷やしているので、 最初にグラスの温度を上げておいた方が、葡萄酒の成分が分かりやすいです。
ソムリエ試験を受ける方、覚えておいて損は無いと思います。

赤ワインにも白ワインにも、それぞれ美味しく飲めると言われているワインの適温がありますが、 適温じゃない方が美味しい時もあるので、 色々な温度でも是非楽しんでくださいね。

※高めの温度で飲んだ方が良いとされている白ワインにムルソー以外で フランスだと、コルトン・シャルルマーニュ、シャサーニュ・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェ、 あのシャトー・ムートンの白ワインでエール・ダルジャン、 カリフォルニアにはカレラやオー・ボン・クリマなどがあります。


【道上の独り言】
常温とか室温と言う言葉がありますが、フランスの室温と言うのは厚みのある石壁に囲まれた部屋(シャトー)などを標準にしていて、室温と言っても日本のように20度以上のイメージではなく14~18度の場合を指します。
フランスは日本に比べ室内は暖房を付けないと寒い場合が多いのです。




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ソムリエの追言「意外と知らない?コルクのお話です」



ソムリエの追言
「意外と知らない?コルクのお話です」

合成コルク

合成コルク : 
合成樹脂 Polymer ポリメール ポリマーでつくられているタイプ

そういえば、ワインのコルク栓もいろいろありますね。
コルクについてのご質問もいくつか頂戴しておりますので
今回は意外と知らないコルクのお話です。


Q.合成コルクを使う理由は?

コスト面とコルク臭(しゅう)の問題です。
まずは、天然コルクは高い!それよりもコストが抑えられます。
コスト高の天然コルクにこだわる最大の理由は、ワインを長期間、ビンで熟成(じゅくせい)をさせるため。 そうでないワインであるなら天然(てんねん)にこだわる必要はないのです。

その上、天然コルクは、ずーっと、コルク臭に悩まされています。
木のような香りと、味わいがワインについてしまうアレです。
天然コルクを使う全ワインの2~5%の割合で、発生してしまうそうで、 世界全体で考えると、すごい量です。 年間約150億本の流通の5%とは、ボルドーワインの全生産量に匹敵する量になるんですね。

飲む人はもちろん、作り手にも、イヤな思い、ダメージを与えるこの不良品。
プロならば、これは、「コルク臭」だから美味しくないとわかっても、
他の人は、「このワインが美味しくない」と思ってしまうわけですから、困りものです。

この、不良品として扱われるコルク臭が、合成コルクでは、ほとんど発生しないそうなんです。 それなら、天然コルクを使い続けなくてもいいのでは、との考えるのは当然ですよね。 そのため、ジョンカードでは、2003年から一部、合成コルクに切り替えたそうです。



Q.コルク臭って、どうしてできるんですか

化学反応で起きているようです。
決してコルクの香りが強すぎて、ワインに移っているわけではありません。
コルク栓を作る際、雑菌(ざっきん)などをなくすための消毒(しょうどく)の溶液(ようえき)と、コルク栓に残っている塩素(えんそ)と、 ある種のカビによって、TCA(トリクロロアニソール)という成分が発生して起きているんだそうです。

コルクに塩素がなぜ残っているかというと、昔、コルク林で使われていた塩素系の除草剤(じょそうざい)などが原因のようです。 なお、現在は使用されていないとのことです。

原因究明がされてから約35年、対策はいろいろ行なわれてきていますが・・・。
完全になくすのは難しいようです。

そうそう、この「コルク臭」、 「Bouchonne ブショネ」 と表現されるのを レストランなどで聞いたことがあるかもしれません。 これは、フランス語の「Bouchonブション 栓」 からきています。 つまり「Bouchonne ブショネ」は「栓の臭いがする」、 転じて専門用語で「コルク臭がする」という意味で使われています。
ちなみに、ソムリエなどが、ワインを開けるときに行なうコルクを嗅ぐしぐさ。
ブショネかどうかをまず、判断してるんですね。




でも、本当に判ってるのかなって思いませんか?
そう、コルクだけで、ブショネと判断できる時は、かなり、強いブショネのレベルで、 誰もが異変に気づく、ワインが飲めないレベルの話。
微妙なレベルは実は、10億分の1。ナノ・レベル(ng/L)の世界です。
ワインを飲まずに完全に判断するなんて、無理なんです!


道上の付け足し
以前、フランス最大級の在庫を持っているレストランが 古いワインを放出した際 かなりの本数がブショネだった様ですね!
それにしても古いワインは美味しい!
そのリスクを承知で買う人も居るのでしょう!



Q.2009年のジョンカードのコルクがまた、別の種類のコルクの理由は?

合成コルクを使っていくことにしたのですが、 合成樹脂のイメージがやっぱり、手がけているワインにそぐわないとして、よりコルクの質感のある 圧搾(あっさく)コルクにしたとのことです。 別名、圧縮(あっしゅく)コルクと分類されるタイプのもので 現地では「Technique」 テクニカルコルクと呼ばれているものです。

コルクの細かい粒を集めて、栓型につくったものです。 これに似たタイプは、シャンパーニュなどのスパークリングのコルク栓です。 外観から粒のあつまりがはっきりと見えます。 このタイプのコルクは、コルク臭への対策がされており、天然コルクよりも、 コルク臭の発生が格段に少ないことが特徴です。低コストも魅力のようです。

圧搾コルク



Q.天然のコルクって、どうやって作っているんですか

コルク樫(かし)の木から樹皮(じゅひ)の部分だけを剥(は)ぎ取ります。 伐採とは違い、コルク樫は樹皮を剥がしても、枯れずに、新たに樹皮をつくられていきます。 樹齢(じゅれい)20年に達してから最初に剥がした樹皮「一番皮」は使わず、 9年後に成長した二番皮を剥がし、その又9年後の3番皮で、初めてワインのコルク栓として使われます。 非常に長い時間を要するのです。

次に、剥ぎ取った樹皮を数週間から数ヶ月積み上げて熟成と乾燥をさせ、丸みを伸ばしていきます。 その後、栓の丈の大きさのブロックにカットし、高速回転のノミの機械で打ち抜いていきます。 全自動の機械もあるようですが、コルクは木ですので、場所によって素材が変わるので、熟練の職人によるもの がやはり質がいいようです。
ちなみに、ワインみたく等級があります。なんと 7階級もあるそうな!

樹皮をはいだ後、茶色の内皮が見えている
2人がかりで コルクの樹皮をはいでいる様子

皮(黒っぽい部分)を含めコルク部分の樹皮をはいだ後、茶色の内皮が見えている
ブロック状のコルクを回転式のノミで打ち抜いている様子 ブロック状のコルクを回転式のノミで打ち抜いている様子


Q.そもそもコルクが、なぜ使われるの

コルク部分は、他の樹木が繊維(せんい)でできているのに対し、細かな穴の集合体に例えられます。 その穴、細胞(さいぼう)なんですが、1立方センチ当り2,500~4,000万個の細胞質で出来ており その中は、空気に似たガスが含まれています。

よって、弾力性にすぐれていて、押し込んだあとの復元力で、栓としての密閉性が高くなります。 また、その無数の細胞質とガスによって、液体を吸い込むのが、非常に遅い特徴と、 変質がすくないことから、液体の保存に向いているとして使われてきたのです。

コルク



Q.コルクは長いほうがいいんですか、長いコルクのワインはいいワイン・美味しいワインなんですか

造り手が目指すワインにあわせてコルクが使い分けられています。
長期熟成をさせるワインには、より長いコルクが選ばれていますね。 長いコルクだと、ガスを含んだ細胞の穴の層が長さの分たくさんあるわけで、 それだけ、酸素の影響をゆっくりとすこしづつ、受けることになり、 ゆるやかな熟成が行なわれていき、美味しいワインになるわけです。

そのタイプのワインは、たいてい高価な場合が多いため、
いいワイン・美味しいワインと くくられてしまうんですね。

とはいえ、そういうワインは、飲み頃をむかえていれば、美味しさを感じますが、 熟成前であれば成分自体が強すぎて、美味しさを感じないことも・・・。 長いコルクであることは熟成向きのワインの証で、品質の高いものが多いですが、 飲む時期によっては、必ずしも美味しいワインとは限りませんので・・・。

ちなみに通常のコルクは4cmから5cmなのですが、中には6cmのコルクを使うワインもありますね。

コルクも奥が深いですね。

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ノムリエの戯言 「道上さんはどんなワインバーが好きですか?」



ノムリエの戯言 「道上さんはどんなワインバーが好きですか?」



「道上さんはどんなワインバーが好きですか ?」

それはTPOによりますが、僕はどちらかというと量を飲む方ですので安くておいしい店が良いですね! 皆さん「安くて美味しい店」と口ぐちに仰っていても、実際安くておいしい店は流行らなく、 僕から見ると高くてまずい店の方が流行っているように見えます。

やはり雰囲気、サービス、何といってもその店に行く理由付けで そそのかしている店の方が流行っていますね。 近年オープンしたお店では、虎の門ヒルズの52階のバーですが、おそらく見晴らしは東京一でしょう。
見晴らしが御馳走と言う人もいます。
特に外国人のお客様あるいは女性の方を案内するには素晴らしい場所だと思います。

そこでは弊社のワインの扱いは御座いません。ホテルと取引するのは至難の業です。 協賛金?年間ホテルをいくら使うか?色んな理由によって決まります。

僕が一般にお店と取引する場合、買う時は勿論安くて美味しいワインですが、 売る時にはお客さんに安く売っていただけるようにお店にお願いします。 実際弊社がお取引頂いているお店は残念ながら必ずしも安くお客様に提供して頂いていないですね。

本物志向と言われて数十年、本物が無くなったからでしょうか?
日本総グルメと言われ数十年、日本人が味音痴に成ったからでしょうか?

確かに食材は豊富になりましたが料理人の腕は落ちたと言われています。
料理を作っている人が年々減っています。 盛り付けをしている人が殆どです。
料理と言っても殆どがマ二ュアル化しています。 世に氾濫しているのはファースト・フードとコンビニエンス・ストアー。 僕は絶対に行きません。

お店が流行るポイントが違うのでしょう。
自分は糖尿の為お酒を控えた時期が有ります。 そうするとお酒無しでは食べられないほどしょっぱい料理の多い事に気付きます。 そして、こんなに美味しい料理なのにお酒が無いと料理が勿体無い、と思う事も多かったです。

僕は酒豪では無く、あくまでも美味しく料理を食べるためにお酒も楽しみます。
ただ普通の人よりも飲む量が多いのです。 洋食の場合ワインなら2本ほど飲みます。 料理が5千円で手間暇のかかっていない(仕入れて栓を抜くだけ) ワインが1本5千円すると飲代だけで1万円してしまいます。

なんかいつも心の中でぼやいています。もっと安ければもっと飲む人も多いのに!!! お店の方達は客単価を考えます。客が飲む量をあらかじめ決めてかかっています。 実際多くの方達は僕も含め、一人1本以上飲みたいところを3人で1本に抑えて 足りない場合は家で飲むという人の何と多い事やら・・・。

だから個々のレストランでのワイン消費が落ち込み、スーパーでのワイン消費が うなぎのぼりに成ったのはこう言った事の反映ではないでしょうか? 現在では、家飲みが増えてお客様の購買にも変化が起きています。 大部分がネットに移行しています。ただそれも有名所(アマゾン、エノテカ・・)。

友人たちと食事に行く時はなるべく味、値段で選びますが、たまたま連れていかれた所の ワインリストを見てこんなワイン飲んだら頭が痛くなる!? ビールにしよう、と思う事がよくあります。 それは置いてあるワインが高くて不味くて手が出せないのです。 飲みたいのであって舐めたいのでは無いのです。

ただ食後にワインを飲むことはあまりありません。
従ってワイン・バーへは殆ど行きません。
せいぜい1杯~1本まで。

食後は基本的には蒸留酒(コニャック・マール)を飲みます
(今は糖尿の為、量を減らしていますが)。

もし安くて美味しい店があればメルマガで皆さんにもお伝えしますね!

ただ偶に聞く話でワインを飲むと頭が痛くなるのでワインは飲みませんと仰る方がいらっしゃいますが、 どうかMis en bouteille au chateau (シャトーでボトリング、混ぜ物では無い)そしてAOC、あるいはAOP(原産地統制呼称)をお試し下さい。ボトルに書かれています。

(当店取扱シャトー・ラ・ジョンカードのボトルより)



一般に出回っているワインは混ぜ物が殆どです
(日本で売られているものの90%)。
これは頭が痛くなりますし。体に良くないものもあります。

上手に探せばMis en bouteille au chateau AOC の中で
2,500円ぐらいで美味しい物もあります。


【 道上 雄峰 】
幼年時代フランス・ボルドーで育つ。
当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。

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ノムリエの追言 「続々・保存について」



ノムリエの追言 「続々・保存について」



こんにちは。MICHIGAMIワインの道上です。

先週、保存について簡単なご説明をしました。
そんな事知ってるわい!と仰る方も多いと思いますが、
要は酸素に触れる事を極力抑えるということです。

全く無いと熟成しませんが多いと早まりすぎます。

最近日本では業者が商品の回転ばかりを考えるゆえ 寝かせる(保存をする)余裕が有りません。 ボルドーに多いカベルネ・ソービニオンというぶどうの品種は寝かせる必要がある物が多く その為か最近は寝かせる必要のあまり無いブルゴーニュに人気は移動しています。

しかしレストランのシェフ達は料理とのマッチングを考えると 味を引き立て易いカベルネ・ソービニオンを好むようです。 古い良いワインはフランスでは見つけるのが難しく、 ロンドン、ニューヨークの方が探しやすい現状が有ります。

この件はまたゆっくりと話すとして、フランスで古くて美味しいワインを飲もうと思うと レストランで飲むのが一番手っとり早いのです。 ゆっくり保管して飲み頃に出す。 レストランにとっても一種の投資です。

フランスで美味しいと言われている、レストラン二つ星、三つ星などと言うところは ワインも相当良い状態で豊富な品ぞろえをしています。 地下室のある長期投資型の商売が考えられるお国柄と言えます。

一方、日本は回転ばかり考えレストランで熟成させることは皆無です。
しかもこれ見よがしにガラス張りのワインセラーに高級ワインを置くのは 如何なものでしょう?
すでに先週述べた通りで、あまり感心できません。

日本のソムリエは、あまりワインの仕入れに携わっていない方が殆どです。
与えられた環境の中、展示会等へ行って選ぶのがせいぜいです。
その点フランスの有名レストランのソムリエは世界中飛び回って 良いワインを探しています。

彼らの情報は我々輸入業者にとっても 重要な情報です。
美味しいシャンパーニュを見つけても売り先が決まっているので分けてもらえません。
もちろん日本では知られていないものが多いようです。

日本でも京都の美味しい小料理屋では農家の野菜作りを手伝ってまで 美味しい野菜を確保するなどと言う事もありますが、 国は違えども似たような事をやっているのですね。

少々脱線しましたが、ワインが酸素に触れるということは 栓を抜いた時はもちろんですが 急激に温度が上がると ワインが膨張して酸化の要因になります。 ワインが膨張しその後収縮する際に新たな空気が入り酸化の要因となります。

暑い所だと熟成が早まります。それは良い場合も悪い場合もあります。
じっくり長期熟成に越したことは有りませんが・・。
反対に若いワインを無理やり熟成を早めるという方法も有ります。
しかしこれは難しいです。

湿気が無いと乾燥したコルクから空気が入り酸化が進みます。
振動が有るとじっくり熟成出来ません。 澱(おり)の沈殿したワインが更に濁ると言う面も有りますが、中の空気と必要以上に混ざり酸化すると言うことがあります。

その昔、樽のワインを船に積み外海でどんぶらこ、どんぶらこと樽を揺らし 熟成を早めるという事をやっていた時代もありましたが、これはあくまでも度数の強いワインのみです。
でなければデリケートなワインは味が壊れてしまいます。

明るいと酸化が早まります。(だから濃いグリーンのビンが多い)
窮屈と言うか、よどんだ空気ではなく風通しが良い保管場所が有難い。

ところで長く暖かいところにあったワインは一旦寝かせた状態で冷やすと(締めれば)よみがえる場合が結構あります。 ぜひお試し下さい。
あくまでも古過ぎないワインの場合です。

一度開けたが飲み切れずと言う方も多くいらっしゃいますね。
そういった場合バキュウムで真空にすれば2~3日は味が変わらない。
確かにそうなのですが香りが飛びやすいことも事実です。

そういう場合は予めハーフ・ボトルを用意して詰め替えることも良いかと思います。
僕が子供の時はビー玉を入れて空間をなくしました。 これも一つの裏技です。

当店のBag in Box※を毎週少しずつ飲んでみました。
開けてから1年半かけて飲み干しましたが最後までほとんど味が変わりませんでした。
コックからワインを出すたびに中のビニールが収縮して最後の1杯まで空気に触れないのです。

赤ワインの場合はここまで長く飲めましたが、ロゼなら3ヶ月、白だと1ヶ月ぐらいでしょうか。
ただ空気が無いので熟成はしません。

先日フェイスブックで 「道上さんのメルマガを読んで、ワインセラーを買うのはやめることにしました」 というコメントをいただきました。 ワインセラーがないとワインが保管できない、だからワインが買えない、 と思っている方が結構いらっしゃる。
ワインセラーとか大そうなことは、あとまわしにしてまずは飲みましょう、気軽に!



【 道上 雄峰 】
幼年時代フランス・ボルドーで育つ。
当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。



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ノムリエの追言 「続・ワインの保存」



ノムリエの追言 「続・ワインの保存」



保存に関してやはり納得して頂けない方が多いようです。
それは当然でもありますが、弊社スーパー・シニア・ソムリエに代わって、
私のつたない経験、一般論をお伝えしたいと思います。

そもそもコルクとワインの間に2センチほどのすき間が有ります。
この空気は何のためでしょうか?

そうです!この空気でワインは熟成して行くのです。 逆にこの空気の空間が4~5センチボトルの肩まで来るようですと、既に酸化していて飲めない場合が有ります。

ワイン外観 ワイン外観
通常
空間が肩まで来ている


よく赤ワインは14度に冷やさないといけないと仰っている方が多いようですが、
高温(20度以上)ですと熟成が早まるという心配が有り、熟成を通り越すと酸化して行くわけです。

リコルクという言葉を耳にしたことがある方がいらっしゃるかと思いますが、ワインが時間と共に、緩やかな蒸発で目減りした分空間が増えてしまった場合、空気の空間を埋めるべく、古いワインは20~30年ごとに1本1本抜栓試飲し、状態の良い物だけを移し変え、適量(水かさ)にするわけです。

ですので産地、又はワインによって異なりますが、南の方の強いワインなどは急激な温度変化でないかぎり、 さほど質に温度での影響は有りません。ただ飲む時には多少の気配りは必要です。 逆に冷凍しない限り冷蔵庫で冷やしたから味が変わると言うことはあまりありません。

しかし繊細で古いワイン(ブルゴーニュ20年以上 7,000円以上、ボルドー30年以上10,000円以上)は振動、光に気を付けて下さい。 何故ワインのボトルは緑なのでしょうか?光を通さないためです。
白ワインとかロゼは透明な瓶が多いのは熟成させないで香りを楽しみ早飲みするからです。

熟成、長期保存を考えるのであれば、地下室以外は考えられません。 何故地下室の裸電球なのか、何故湿気なのか、何故温度変化の無い所でなのか? こういった事を考えると箱型ワインセラーは役立たずです。 ましてやこれ見よがしに ガラス張りのワインセラーを開け閉めばかりしていると高級ワインはドンドン悪くなる一方です。

話を戻しますと、一般に我々が飲む美味しいワインは、古ければ、ボルドーの場合、飲む少なくとも数日前から立てておきましょう! オリが沈殿するのを待ち、しっかりとしたボルドーの赤ですと、アルコール臭をを強く感じない、16~18度ぐらいで飲んでみて下さい。 或いは冷蔵庫にでも立てておけば結構です。

僕は、私は1本飲めない! と言う方には予めハーフボトルをご用意頂きコルクに触れるレベルまでワインを移し栓をして下さい。ボルドーのしっかりした物であれば一週間、味が変わりません。

冷蔵庫に入れておきますと、先ほどお伝えしたように、寒さで酸化のスピードが落ちますので、保存しやすいのです。どうしてもハーフよりも半端な量が残ってしまった場合私の裏技は:ビー玉を入れてワインがコルクに近くなる適当な所まで水位を上げます。フランスで小学生からワインを飲んでいるとこういう事を考えてしまいます。

窒素は味を損ねますのでお勧めしません。良くお店でボトルが逆さまに飾ってあって一杯からも飲めるという代物です。バキューム(空気抜き)は多少であれば宜しいですが、ボトル半分以下になった場合空気を抜くと同時に香りも抜いてしまう恐れが有りますので注意して下さい。

やはり総合しますと熟成はしないですが、飲みながらの保存では、又、便利さでは Bag in Box に勝る物は有りません。



先ほどの話に戻りますが、よく酸化防止剤が入っているワインは飲めないと仰る方がいますが、私のつたない経験で酸化防止剤の入っていないワインで飲める美味しいワインに出会ったことは有りません。

先ほどのリコルクの場合に酸化防止剤を入れる事は有っても、通常はボトルに注入する事はあまりありません。少なくとも、シャトー物(Mis en bouteille au Chateau )はぶどうを作る段階で付着させます。緑、黒、紺、紫とぶどうには色々な色が有りますが、あの紫色に光っているのがそのものです。
微量で有る為、決して身体に害があるものでは有りません。



【 道上 雄峰 】
幼年時代フランス・ボルドーで育つ。
当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。



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バックナンバー( 最新5話分)

■コルクを抜くまでの保存方法や温度管理は?

ワインセラーは保存に適していない?
窮屈すぎるワインセラーの空間、その理由は・・・。

■ワインの上手な購入方法を教えて!

よくある質問の一つ、ワインはどんなお店で買うのが良いのか。
コストパフォーマンスの良い仕入れとは?
沢山種類を置いてあるお店のワインは高い?その理由とは・・・。

■ワインはご飯のようなもの?

フランス人は多くの日本人が毎回違ったワインを首をかしげながら飲む姿を見てびっくりしています。
日本人は毎回毎回違うお米を買うでしょうか?多くの方はお好みのお米があります。
同じようにワインも同じものを飲み続けることでワインに対する基準ができるようになります。

■ボルドーとブルゴーニュ

日本ではボルドーとブルゴーニュはフランスの2大生産地として、ワインの双璧のように言われていますが、実際のところは?ヨーロッパでのブルゴーニュの赤ワインの評価は?

■ワインは栓を開けてからどのくらいの時間美味しく飲める?

ワインや好みによりますが、一般に売られているワインなら30分位といったところでしょうか。しかし、カベルネソーヴィニョンの割合が高いものは2時間位経ったほうが美味しい場合が多く、何と開けてから翌日の方が美味しくなっているワインも??

■ボルドーの赤ワインは他と何が違うのでしょう?

ワインの歴史、生産量、どれをとってもボルドーは世界を圧倒しています。
フランスにとってそしてヨーロッパの歴史においてボルドーは大変重要な都市です。
フランス史上2度もボルドーに首都が置かれたことをご存知ですか?

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