クロ・サン・ヴァンサン
樹齢70年!これがクロ・サン・ヴァンサンのブドウ樹
クロ・サン・ヴァンサン訪問記1
「樹齢70年!これがクロ・サン・ヴァンサンのブドウ樹」
世界遺産に登録されているサン・テミリオン地区の中心部より街道122号線 を南西に。
高台からの景色は、いつしか横目に映る斜面のブドウ畑とシャトーにかわっていく。
そして、目の前に広がる広大なブドウ畑の数々。
いつの間にか、サン・テミリオンのシンボル「モノリス教会」が はるか遠くに見えます。
シャトー・ラモットやのアントル・ドゥ・メール地区、 ジョンカードのコート・ド・ブール地区と違って、開けた平地が続きます。
ブドウ畑の中にはいくつもの点在するシャトー。
サン・テミリオンの低地と呼ばれる地帯。
街道122号線の交差点をマルスラン通りへと右に曲がれば、
どこかで見たことのあるオレンジの瓦屋根の建物。
そう、クロ・サン・ヴァンサンに到着です。
「クロ」とは、シャトーと違って、家を取り囲む畑のことをさしています。
ちょうど、建物を取り囲む畑が、近くを流れる小川からの水路で囲まれ 「おほり」のようになっています。
まずは、なんといっても、畑。
サン・テミリオン・グラン・クリュを造り上げるブドウ畑を
見なくては!
説明してくれるのは、オーナーのリオネル・ラトゥース氏。
シャトー・ラモット家の長男が独自にワイン造りに挑戦しているのです。
門を出て、裏手のメルロー種の畑へ。
全部で5ヘクタールの畑。
高校球児の憧れ甲子園球場のグランドで言うと、約4面。
(また、計算しちゃいました。)
1万5000坪になります。
今までの2つのシャトーに比べて、よりキレイに手入れされ並んでいます。
ちなみに、こちらは、向いのシャトーの畑。自然尊重栽培?

クロ・サン・ヴァンサンの畑に足を踏み入れると
「何かが違う・・・」
ブドウ樹の間隔「畝(うね)」が、狭い!

シャトー・ラモットでは、大人が4人横に並べる間隔だった。
【比較:シャトー・ラモットのブドウ畑】
そして、クロ・サン・ヴァンサンのブドウ樹の方が低い。
動画 「ヴィニョーブル・ラトゥースとの畑の違い」
(再生時間2分43秒)
今年の早熟具合を、ブドウを手にとり熱心に語ってくれます。

この樹の樹齢はなんと70年!

その証、根元の樹の太さといったら、たくましさを感じます。
ヴィニョーブル・ラトゥースの若木と比べると一目瞭然。

【比較:ヴィニョーブル・ラトゥースのブドウ若樹】
クロ・サン・ヴァンサンでは、1ヘクタールあたり25ヘクトリットル
(=2500リットル)
に収量を押さえているそうです!
このサン・テミリオンという地域でも、
普通40ヘクトリットル収穫することを考えると異例のこと。
例えば1本の樹に10房ついたら、2,3房切り取って、7-8房に。
10房分の栄養分・ミネラル分が7-8房に振り分けられていく。
樹齢が高いブドウ樹は、若いときより、房・実をつける量が少ないのに、
更に減らしていくといった手法は、驚きです。
また、樹齢の高いブドウ樹は、それだけ、地下深くに根をはるので、
様々なミネラルをブドウの果実に表し、複雑さを与える。
つまりは、成分が豊富な、凝縮したブドウの果実が得られる!
歴史ある土地の、歴史あるブドウの樹を活かす栽培方法にプラスして、
収量を抑えて果実味を凝縮させている。
そう、これが、サン・テミリオン・グラン・クリュ。
そして、その上を行く、クロ・サン・ヴァンサン社。
だからこそ、
香り高い クロ・サン・ヴァンサンと
メルローの魅力を引き出した
スィ二アチュール・ドュ・クロ・サン・ヴァンサン
が、産み出されるのです!
サン・テミリオン・ラブ・ストーリー? エコロジーなワイン造り?
クロ・サン・ヴァンサン訪問記2
「サン・テミリオン・ラブ・ストーリー? エコロジーなワイン造り?」
畑の説明をひとまず聞き終え、オフィスへ。
なんと、この地は、リオネル氏と奥様カリーヌ氏との出会いの地
ラトゥース家がこの畑を買い
その後、若き二人にワインつくりを託したのです。
♪あの日~、あの時~ この場所で~
若き日の、二人の姿が目に浮かんで来ませんか。

詳しい馴れ初めは、教えてもらってませんが、 素敵な話じゃないですか!
そして、
今では、二人の子供達と暮らしながら、
ワイン造りを楽しんでいる様子がうかがえます。
見知らぬ土地に来ての、ワイン造りは、結構、大変だったのではと 尋ねてみると、 「周りの人々皆、それぞれリスペクトしてくれた」と。
名前の クロ・サン・ヴァンサンは その名の通り、 ワインの「守護聖」から来ています。 昔からの名前を、引き継ぎ名乗っています。

クロ・サン・ヴァンサン および、スィ二アチュール もちろん、現地販売してます!
経営が変わってからは、自分の納得してない昔のワインは、全て売り払った。 だから、古いワインが、存在しない。 2009年や、2010年はいい年なので、ストックしていくようです。
シャトー見学も、最近では、中国人が多いらしいとのこと。
そして、オフィスのすぐ横にある醸造所へ。やはり、ヒンヤリとした室内。
今度は、ワイン造りについて、説明してくれます。
「サン・テミリオン」のワインは、それだけで高級なイメージがありますが、 実は大体、機械で収穫してるのだとか。
しかし、ここ、クロ・サン・ヴァンサンは 手積み。
手積みのメリットは、ブドウを成熟度合いによって選んでつめること、 高い樹齢を傷つけないことです。
かなり重くなる20リットルのバケツに入れて、すぐにここへ持ってくる。
テーブルを広げ、更に選果し、 除梗・破砕と、 すすめて、このセメント式の発酵槽へ。

小さくて使いやすいキュヴェ。
他の2つのシャトーに比べてもかなり小さめです。
50ヘクトリットル=5000リットルの槽が並んでいます。
厚みのあるセメント層のため、夏・冬の温度差が少ない。

さらに、発酵槽の中は、「エポックス」樹脂でコーティングされています。
これで、バクテリアからも、守られ、安心、安心。
中に入れてからも実をつぶしていく。また、重みで、自然に潰れて「フリーラン・ジュース」
が、たっぷりと出てくる。
これに、皮についた酵母が、反応し、発酵が始まる。 発酵すれば、熱が出る。
この熱をコントロールしなければ、いいワインを造るのは難しい。
ところで、酵母は微生物。
生物にとっての活動しやすい適温は22~27℃
あまりに、高温になれば、活動も鈍くなり、やがては死んでしまう。
人間と同じです。
さらには、 温度が高ければ、皮からの色素が、濃くワインに着くが、 一方で繊細な香りは飛んでしまう。
だから、28℃を目安にして、コントロールしていく。
おぉ、日本のエアコンの設定温度と同じ!これってエコ?

発酵槽の温度は、こちらで、管理・調節。

発酵槽の上に引かれているパイプ。

水と、お湯が流れるパイプで発酵に適した温度に調節する。

15日間~3週間で発酵が終わります。
サン・テミリオンのブドウ、糖度が高いから、アルコール度数高いワインができる。
皮の色素や、種の苦味・渋味成分を、より出すため、15日間漬け込みを行ないます。
その後、ワインとなる液体を抜き出す。
さらに、中の、果皮・種子についている残った果肉部分を、取り出します。
この残った部分からも、アルコールができるので、通常は、
製薬会社や、化粧品会社へ、アルコールの原料として、使われる。
リサイクルです。このあたりは、本当にエコ!
ただし、2009年や、10年などの非常にいい年のいいブドウのときは、 残った果肉部分をもう一度潰した「プレス・ジュース」を、使っていきます。
「プレス・ジュース」は、圧をかけるので、ホントにいいブドウでないと、 雑味がでてしまう訳です。
良い年の良いものだけを使うがコンセプト。
ブドウ品種ごとに発酵が終わったワインは、樽で12~18ヶ月寝かせます。
その後、澱引きなどをしてボトリングへ。

ボトリングされたワインの貯蔵所。

全体的に醸造所兼セラーは、天井も低く、大きくはない。
この地、サン・テミリオンやポムロールに多くある、小さな醸造所は 一部のワイン通の間で、「ガレージ(車庫)・シャトー」なんて呼ばれたりしています。

それはともかく 夫婦二人で、手作りによる、自分達の手が行き届く範囲のワイン造り。
まさしく、愛情のこもったワインであります!
動画 「樹齢70年~75年の植替えは?
」
(再生時間01分31秒)
動画 「ブドウ品種とテロワール<土地の個性>」
(再生時間03分14秒)















