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なかなかヤルナ!ボルドー 辛口白ワインの実力。

ボルドーの白ワインは、甘口、辛口共通して、大方、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンから作られます。

ところで、ソーヴィニヨン・ブランを使ったワインが「猫のおしっこ」 などと表現されることもあるのをご存知でしょうか?

この表現よく言われるのは、ロワール地方のワインにたいしてなんだそうですが、 私個人の印象はボルドーの辛口ワインにその印象があります。

変な表現と思われますが、過去に 猫を同時期に3匹飼っていた自分には十分理解できる表現なんです。これが、欠陥品を表す表現でないところが不思議です。

若いワイン独特の風味、青臭さ、も私達日本人には少しとっつきづらい所があります。

そんな、ボルドーの辛口白ワイン、様々なタイプがあります。

カジュアルなタイプのアントル・ドゥ・メール地区 格付けもされ、熟成によってさらに華開くグラーヴ地区のワイン

前者は、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかな酸味と果実味を与える特性を 後者はセミヨンのコクを与え、熟成時に濃密な香りをもたらす特性を、 2つのブドウのブレンドや樽発酵によって活かした形でそれぞれのカテゴリーをつくってきました。 

その一方で、辛口嗜好の時代の流れによって、今では、シャトーワインをつくる生産者、赤専門のメドック地区や甘口専門のソーテルヌ地区も辛口のワインを作るようになって来ているのです。

その背景に有るのは、ブドウの潜在能力によるのではないでしょうか。

先にあげた、2つのブドウは、トップクラスのシャトーの甘口の貴腐ワインになれば40~50年熟成し、その偉大さ を発揮する力を持っています。

実は、その片鱗をみせつけられた思いをしました。

ヴィニョーブル・ラトゥース・キュヴェ・スペシャル L 1996年   AOCボルドー

蜂蜜のような豊かな香り、丸みを帯びた酸味と果実味、コクの調和が醸し出す余韻の長さに驚かされました。 辛口のカジュアルワインに分類されてしまう様な価格でした。 もちろん、格付けされているようなワインが、熟成でその存在感を示すことは当然です。

格付けどころか、取引価格では何倍も差が有るこのワインにおいても、14年における熟成の 風味を見事に表現しているのです。

メドックのシャトー・マルゴー、シャトー・ムートンロートシルト、ソーテルヌのシャトー・ディケムをはじめ トップシャトーの数々が辛口白ワインの可能性を、大きな将来性を見極めたのも頷けます。

シャトー・マルゴーにいたっては、1930年代から白ワインの生産を開始し、50年後の1980年に世に出した という徹底ぶりです。

こうした、品質向上への姿勢とトップシャトーならではの最新技術は、その地域全体を牽引して来たはずですし、 その地の全白ワイン生産者への刺激となっているのでしょう。

新しいボルドー辛口白ワインの将来が楽しみです。

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