
引き締まったタイトな口当たり。こなれた酸味!

プルミエール・コート・ド・ブライは、外観は濃密で深く、香りは力強い赤ワインが特徴です。 若いうちは果実味が豊かな香りですが、熟成するとスパイスの香りが現われます。 味わいはなめらかで豊かなアロマ、タンニンはマイルドです。 メルロが主体で、カベルネ・ソーヴニヨンをアッサンブラージュします。 カベルネ・フランやマルベックも補助品種として使うこともあります。

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プルミエール・コート・ド・ブライはボルドーでも最も北にあり、ジロンド川河口右岸に広がる産地です。ワインは調和が取れていて、果実味にあふれたビロードのようななめらかさと優しい飲み口の赤ワインが特徴です。
ボルドー市から北に45kmのところにあるブライのぶどう畑は小さな谷と丘です。斜面はジロンド河の河口と直角に交わっており、風通しが良く日照に恵まれています。そのため、健全で熟したぶどうを収穫することができます。土壌は粘土石灰質で、良質のメルロを育てます。 |

外観 | 黒味を帯びたガーネット。中心に黒味が強い。 10年以上近くでこの色合いは、ボルドーならでは。 どれも、エッジの部分に 赤・オレンジ・茶色 があわさった色合い。 熟成の色合いです。 紫・ピンクがない。 |
香り | 香木のような独特の香り。 強いスパイスの香り ブラックペッパーやクローブがあわさった感じ。 スミレのドライフラワー 樽からくる焦げたような香りも まだまだ、強さが残った味わいではないでしょうか。 |
味わい | しなやかで、引き締まったタイトな口当たり。 酸味はこなれています。 果実味より、渋味が味わいの中心 10年以上たつのに渋味成分のタンニンをしっかり感じます。 それに、苦味。ミネラルとしての鉄分・石灰のような苦味。 この苦味が味わいの土台、骨格につながっています。 |

ベーコンのあぶり焼き。バラ肉の詰まった質感とピッタリ また、鰻の蒲焼の山椒の部分にも、スパイスの風味がマッチしてきます。
人は、年齢とともにその渋味が出てきます。
でも、ワインは違う。
最初、渋くて、年齢とともに旨みが、円熟味(えんじゅくみ)が出てきます。
このワインは、10年以上たっていて、いい渋味が出ている。
勝手なイメージですが、ハード・ボイルドなワインです。
「精神・身体的にタフで、感情に流されない」
ハード・ボイルドって、そんな感じでしょうか。
このワイン、年齢を重ねて、それにふさわしい渋味がある。
若いワインのギスギスした渋味とは、また違う趣(おもむき)。
これは、これで、個性的です。
プルミエール・コート・ド・ブライと長い産地の名前
実は、15世紀あたりは、メドック地区(現代の高級ワインを多数、生む産地)
よりも、人気がありました。
そんな産地、コート・ド・ブールと並ぶ隠れた銘壌地(めいじょうち)でもあります。
名前に「プルミエール =第1の、1級の」が付くぐらい。
そして、「デューク=公爵」が、ワインの名前に。
公爵は、爵位で一番上位なんです。
プライド高いワインであることひしひしと伝わってきます。
だからこそなのでしょう、この質感と渋味の味わい。
よく熟したブドウを、たっぷりと漬け込んで、樽で寝かせて
造られた赤ワインがなせる風味。
まったく、甘さや旨さで、私達に媚(こ)びようとはしません。
ラベルに描かれている、「そっぽを向いた」公爵のようです。
そんな味わいは、目を覚まさしてくれるというか
ワイン以外の物事に集中させてくれる感じがあります。
もちろん、料理との相性はいいです。
でも、あまりやったことないのですが、
ワインを飲みながら、映画を観たり、小説を読んだりと。
料理以外にあわせてみる!
ワインを題材にした映画や、ワインがトリックに使われている
推理モノなど、いいんじゃありません?
今までとはすこし違った楽しみ方が出来るワイン。
くつろいでとは、また、別の感じです。
ちょっと、格好つけて飲んでみたいワイン。
大人が飲める「大人の味わい」
まぁ、いくら、質感がブラック・コーヒーに似ているとはいえ、ハードボイルドなワインをコーヒー代わりにとはいきませんが・・・