2011年3月度 頒布会ワイン・レポート 3/3「ツンデレ? ボルドー有名産地 / オー・メドック シャトー・デストー2003年」
ソムリエの追言
「ツンデレ? ボルドー有名産地 オー・メドック 頒布会ワイン・リポート VOL10-3」
※外国の方の読者も多くいらっしゃるので、漢字にふりがなをつけてお送りしております。
■シャトー デストー2003年
ふくよかで、酸味がこなれている飲みやすくするための酸味。果実の味わい。甘味をはっきりと感じるのではなく渋味・苦味が引き締める感じ。
渋味・苦味を兼ね備えたスマートさ。果実のあまったるさがでない。凛(りん)とした感じ。 ここが、私はボルドーらしい特徴だと思います。
こういうワインを飲むと、ボルドーワインが女性に例えられるのが、なんとなく解かる気がします。女性といっても、レディです。
実は、オーメドックは格付けワインの産地。この地区の中にあるのが、ポイヤック、マルゴー、サンジュリアン、サンテステフという4つの村。
高価な価格で取引されているワインのほとんどが、この地区の、上の村にあるシャトーもの。なにせ、ボルドー格付け1級から5級までの60シャトーある中、55シャトーが上の4つの村からのもの。
その手のワインは、非常に凝縮(ぎょうしゅく)した造りをしますから、飲んで美味しいと感じるまでには、10年以上の時間を要するものばかり。
「ツンツン(固すぎ、渋すぎ、で愛想がない)」の時期が長い!
それらに比べたら「オーメドック」と表記しているワインは、親しみ易く、そして風味も柔らかくなるのが早い。「デレ」になるのが早い!(ちなみに、この「デレ(柔らかで、あまーく感じる状態)」の時期を経験していくと、「熟成(じゅくせい)」というあの母のような温かさをもつ、愛情ある風味へと変化していく・・・。)
どっちがいいかは、お好みですけど、やっぱり、優しく迎えてくれるほうが、体にも心にもいいに決まってます。(個人的感想です。)
しかも、価格も手ごろであるので・・・。広い産地ですから、全てとは言いませんが、なかなかいいワインを作っている産地です。ボルドー格付け60シャトーの内、5つは「オーメドック」表記ですから。
今回のシャトー・デストーも ポイヤック村の近く。それなりの気品さをそなえています。ボトル・ラベルも格好つけてますし。
でも、ちょうど「デレ」が始まる時期。気軽にアプローチできるワインになってきています!
シャトー デストー2003年
黒みがかったルビー色
かすかに紫色残る
エッジ(縁の部分)にすこし赤・ピンクグラデーションも少な目
まだ、若いワイン強い味わいが予想できます。
スミレの香り スパイスの香り
ブラックペッパーが強い
カベルネ・ソーヴィニョン種の特徴が出ています。
カシスの香り
果実、そのままの香り。
熟しすぎると、甘いリキュールやジャムのように感じ
熟してないと、青っぽい、ピーマンのような香りがあります。
これは、香りのバランスが取れています。
味わいとしても、飲みやすいタイプが予想されます。
ふくよかな口あたり 酸味がこなれている
酸っぱいと感じるのではなく
飲みやすくするための酸味。
果実の味わい。
甘味をはっきりと感じるのではなく
渋味・苦味が引き締める感じ。
生のブルーベリーの果汁がイメージできます。
また、果実味の中にミネラル分の鉄分を感じます。
鉄分と聞けば、レバーなどいいですね。
食べやすい豚レバーをフライにしたものがお薦め。
渋味・苦味を兼ね備えたスマートさ。
ここが、私はボルドーらしい特徴だと思います。
ペッパーの香りが強かったにも関わらず、
そこまで、タンニン(渋味成分)は目立たない。
落ち着いて、密になっている。
全体として、優しい味わいになっている。
あくまでボルドーの中では。
ここが、オーメドックという地区の特徴で、
風味が柔らかな印象があります。
この風味を活かすには、鶏肉のあぶり焼きがいいです。
こげの風味が、赤ワインにある
スパイシーさを引き出し、マッチします。
すこし、上品な印象のあるワインでしたが、
あわせる料理は、かしこまる必要ないです。
ボトルのイメージとは、違いますが、
日々の食卓に欲しい赤ワイン。
豚肉を甘辛に炒めるときに、
ワインを使って調理して、ワインと飲みたいです。