改訂版 新・スラム街の少女 ―灼熱の思いは野に消えて― 第二十四話 「第9章 悪魔の日曜日 3」
女剣士小夏-ポルポト財宝の略奪
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梗概
カンボジアから日本に留学中の少女サヤは、ポルポト軍クメールルージュの
残党に突然襲われた。サヤが持つペンダントには、ポルポトから略奪した
数百億の財宝のありかが記されているからだ。絶体絶命の危機を救ったのは、
偶然に居合わせた女剣士の小夏(こなつ)だった。
ポルポトの財宝を略奪するため、小夏はカンボジアに渡る。 幼い頃の記憶を失っている小夏にとって、記憶を取り戻していく旅となった。 ほんのちょっと前にカンボジアで起こった20世紀最大の蛮行。 ポルポトは全国民の1/3にあたる200万人以上を殺害し、 それまでの社会基盤を破壊した。教育はいらない。ポルポトはインテリから 粛清を始めた。
メガネをかけている、英語が喋れるだけで最初に粛清された。 破壊された教育基盤を立て直すため、サヤはカンボジアのかすかな希望の光だ。 カンボジアの子供たちが日本のように誰でも教育をうけられるようにするため、 日本に送られたサヤ。 小夏、サヤは立ちはだかる悪魔の集団を打ち破り、 ポルポトの財宝を奪えるのだろうか。 その鍵を握っていたのは、カンボジア擁護施設を立ち上げた関根であった。
不思議な力を持つスラム街の少女プンとともに、
日本人駐在員は愛と友情をかけて、
マフィアと闘う。
![女剣士・小夏 ―ポルポト財団の略奪―](https://www.michigami.com/images/mailmg/hata/image/title_slum.gif)
遊園地でプラーとプンがいなくなってから30分後に木村の携帯にメールが入ってきた。 タイ語のメールなので、後でプラモートに読んでもらった。プラーからだった。
「涙が止まらないの。ごめんね、木村さん。私はカーオの妹のプーです」と送られてきたのである。
(プーにこれ以上罪を犯させたくない、あの子は心がやさしい子だ)
俺はプーを信じてプラモートにタイ語でメールを作って送ってもらった。
プーへ
俺は、君の本当の気持ちがわかるよ。
心が痛いだろ、苦しいだろう。
君のやさしい心を信じているよ。
お金が必要なら僕の貯金を全部あげるよ。
なによりも一番大切なものは美しい顔でもない、
鍛え上げた強い身体でもない、お金でもない、
人を慈しむ気持ちとやさしい心だと思うよ。
君は誰よりもやさしい心を持っている。
僕は君の心とプンを助けてあげられるのなら
僕の命を賭してもいいと思っている。
キムラより
木村とプラモートが出ていくと、ニンはすぐにビッグベアに、
「木村の後をつけて、フォロウして」
「承知しました」ビッグベアは直ぐに尾行を始めた。
「たぶんウドムスックよ、私達も行きましょう。アップンさんはここで待っていて、マイを見てあげて、それと警察に届ける準備をしてね」ニンはてきぱきと指示をした。
「俺も行くよ」ナカジマがビックベアの後を追った。
ウドムスックは、高架鉄道スクンビット線の東、スクンビットのソイ番号で言うと104で、はずれの方である。
カーオ達は、ウドムスックに借りた2DKのアパートにいた。カーオが電話を終えると、カーオとシーアは顔を見合わせて笑った。隣室からプーとクンが入って来た。隣室にはプンとカノムが手足と口をガムテープで縛られている。プーとクンが入って来ると入れ替わりにシーアが隣室に行った。
「今、あの日本人に電話したよ。2百万バーツを今晩中に用意するだろう。金が入ったらパタヤに別荘でも買って3人でしばらくゆっくりしよう」
カーオは二人に優しく言った。
「おにいちゃん、プンとカノムは傷つけないで返すんでしょう?シーアに約束させてね」
「そのつもりだよ、心配するな」
「油断しないでね、シーアはお金を独占するつもりよ」クンはカーオに近づきそっと囁くとカーオは驚かずに答えた、
「わかっているよ。シーアはお前が自分のものになったと思っている。あいつにとって俺の存在が邪魔になるだろう。クン、お前が俺の身を心配しているのは知っているよ」
カーオが優しくクンの肩を抱いた。
隣室には家具が何ひとつ無い。プンとカノムが手足を縛られて転がっている。
シーアがカノムに近づいて行き、
「お前、いい女だな。俺の女にならないか」
シーアはカノムの顔を頬から顎へ手の平でさすった。
カノムが顔を横に振った。シーアは嫌がるカノムを見てにやりとして、シャツの上から胸をゆっくりと下から上に撫でた。
玩ぶようにゆっくりと何回も撫でた。
カノムが上半身をよじって逃げようとすると、シーアは下腹部の上に馬乗りになった。
「乳首が立ってきたぜ」
シーアはカノムのシャツのボタンをはずした。ブラジャーをとると弾むように大きくはないが形の良い乳房が出てきた。シーアはカノムの上に覆い被さった。シーアは乳房を手で包みながら乳首の回りを舌で円を描くように舐めた。乳首を吸っているとシーアの下半身がみるみる固くなった。シーアの固くなった茎がカノムの下半身の双丘に押し付けられた。シーアはカノムの口のガムテープをはずし、唇を吸おうとした。
「イヤー」ガムテープがはずれたカノムは泣き叫んだ。
シーアの手がカノムの頬を往復する。
カノムの叫び声を聞き、隣室から3人が駆け込んできた。
「止めさせてお兄ちゃん」
「お前にもしてやるからあっちへ行っていろ」血走った目でシーアが怒鳴ると、
「今はそのくらいにしておけよ、金を受け取ったらカノムはお前の自由にしろ」カーオは落ち着いた声で言った。
シーアは何も言わずに立ち上がり、じっと見ていたプンに近づいて行った。
シーアはゆっくりと手足のガムテープをはずすと、
「お前のアソコにも指を入れてやろうか」プンを立たせるとスカートの中に手を入れようとした。
カノムが泣きながら、
「お願いその子は無事に帰してあげて。この子は父親が死に、母親に捨てられたわ。でもこの子はいつも笑顔を絶やさず道路で花売りをしていたの。お兄ちゃんも目の前で、交通事故で死んじゃったの。スラムの皆はこの子の成長を願っているの。この子の笑顔を見ていると自分もがんばろうと勇気がわくのよ。お願い皆、助けて」
カーオがシーアの肩を掴んだ。
「冗談だよ」シーアがニヤッと笑ってプンから離れた。
プーがプンの口に貼りついたガムテープをはずしてプンを抱いた。
部屋を出ようとしたシーアをプンは呼びとめた。
「おじちゃん・・・・・・」
シーアの肩の辺りにプンは優しく話しかける。
「かわいそうね、わたしのお兄ちゃんが天国に連れて行ってくれるって」
不思議そうに見つめたシーアにプンが言った。
「歯がない髪もむしられてないお姉さんがおじちゃんと一緒にいたよ、かわいそうねっていったら、お姉さんが笑ったの。そしたらお姉さんの髪がもとに戻って歯が治ってきれいなお顔になって、ありがとう・・・・・・って言ったわ」
わたしのお兄ちゃんが手をつないで連れて行ったわ。
ファイ(火)がいたのか・・・・・・プンの言葉で突然、シーアは遠い昔の出来事を思い出した。
「おいクン、ビールでも飲もう」
シーアはクンを引っ張ってその部屋をおとなしく出て行った。クンは冷蔵庫からビールを出してコップを持ってテーブルに持って行った。
「飲みましょう」クンはシーアの隣に座り、コップにビールを注ぐと、シーアはビールを一気に飲んだ。お前も飲めよ。シーアはクンのコップにもビールを注いだ。
トイレはシーアのいる部屋にある。プーが隣の部屋から入って来てトイレに行き、しばらくしてプーはトイレから出てプンのいる部屋に戻る。
シーアはクンの肩を抱いて、
「お前は俺と似ている悪党同士、仲良くやろうや、金は二人で分けよう」シーアが笑う。
ビールが三缶空いた。
泰田ゆうじ プロフィール 元タイ王国駐在員 著作 スラム街の少女 等 東京都新宿区生まれ |
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